2006 Fiscal Year Annual Research Report
CNR/プロトカドヘリン分子群を用いた脳システム形成と制御の解析
Project/Area Number |
17024034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 敬浩 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (40297015)
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Keywords | カドヘリン / 多様性 / 脳神経 / 神経細胞 / 神経回路 / 遺伝子クラスター / 行動 / ゲノム |
Research Abstract |
脳神経系は多様化した細胞種が高度に組織化されたシステムである。本研究では、この多様化した神経細胞種を生み出す分子メカニズムを明らかにする目的で、脳神経系で発現する多様化受容体型分子群であるCNR/プロトカドヘリン(CNR/Pcdh)に注目して研究を進めている。これまでの研究から、CNR/Pcdh遺伝子は個々の神経細胞の多様性に関わることが示唆されている。本年度は、このCNR/Pcdh遺伝子群の単一神経細胞における発現制御を総合的に明らかにする目的で、マウス小脳プルキンエ細胞におけるα、γ遺伝子クラスターの遺伝子発現の解析を行なった。その結果、α遺伝子クラスター、γ遺伝子クラスターにおいて最も下流に位置するアイソフォーム遺伝子は、ほぼ全てのプルキンエ細胞において両対立染色体より発現していることが明らかとなった。また、α遺伝子クラスターにあるαアイソフォーム(13種)とγ遺伝子クラスターにあるγA,γBアイソフォーム(20種類)は対立遺伝子ごとに独立した発現制御が認められ、個々のプルキンエ細胞において異なるα、γアイソフォームが同一細胞中で発現していることが明らかとなった。αγの組み合わせによりタンパク質複合体がつくられることが明らかとなっておりこの複合体で10^5に及ぶ多様性が計算上得られる。今後は、β遺伝子クラスターについても詳細を明らかにして全てのアイソフォームについての発現様式、制御を明らかにする予定である。また、本年度は、CNR/Pcdhにおいて始めてタンパク質構造解析を明らかにし、古典的カドヘリンに無い新たな機能ドメインを明らかにした。今後は、CNR/Pcdhタンパク質の構造と機能を明らかにし、多様な構造と機能との関連性を明らかにして行きたい。CNR/Pcdhα遺伝子変換マウスが得られており、神経回路形成や行動制御における役割について成果をまとめている。
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