2007 Fiscal Year Annual Research Report
CNR/プロトカドヘリン分子群を用いた脳システム形成と制御の解析
Project/Area Number |
17024034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 敬浩 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (40297015)
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Keywords | カドヘリン / 多様性 / 遺伝子クラスター / 神経回路 / 行動 |
Research Abstract |
脳神経系は複雑なシステムであり、高度に多様化した神経細胞より構成されている。本研究では、ほ乳類め脳システム形成に関わる新たな分子メカニズムを明らかにする目的で、脳神経系で発現する多様化膜分子群、CNR/プロトカドヘリンファミリーに注目して研究を行っている。本年度は、CNR/プロトカドヘリンαの定常領域を欠損させたマウスを作製して嗅神経の神経投射パターンの解析を行った。その結果、CNR/プロトカドヘリンα定常領域欠損マウスでは、発現する匂い受容体に依存した神経収束が正常におこらず、異所的な神経投射の異常が認められた。この異常は、解析した全ての匂い受容体神経細胞で認められた。これらの結果により、CNR/プロトカドヘリンαが正常な神経回路形成、特に神経投射の精密化に必須であることが示唆された。更に、CNR/プロトカドヘリンを構成しているα、β、γの3つの遺伝子クラスターをそれぞれ欠損したマウスの作製を行った。現在、これらの遺伝子欠損マウスを用いたCNR/プロトカドヘリンの脳システム形成や制御に関わる分子機能の解析を行っている。また、αとγ遺伝子クラスターについては、コンディショナルターゲティングマウスの作製に成功している。また、本年度、プロトカドヘリンβが、プルキンエ細胞だけでなく、嗅球、海馬、大脳皮質、三叉神経節、背根神経節における個々の神経細胞で差次的遺伝子発現パターンをもっていることを確認した。更に、CNR/プロトカドヘリンαの遺伝子制御機構の解析においては、各プロトカドヘリンαプロモーター領域におけるゲノムDNAメチル化状態が遺伝子発現制御に関わる可能性を明らかにした。
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