2009 Fiscal Year Annual Research Report
時空間特異的遺伝子発現マウスを用いた脳のシステム制御の解析
Project/Area Number |
17024038
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
饗場 篤 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (20271116)
|
Keywords | mGluR1 / トランスジェニックマウス / プルキンエ細胞 / テトラサイクリン / 瞬目反射条件付け / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.小脳プルキンエ細胞特異的にmGluR1を発現し、その発現がドキシサイクリン(Dox)の投与によって停止できるマウス(mGluR1 cKO)の解析を行った。mGluR1 cKOに8週齢でDoxを投与した時、mGluR1の発現が無くなった直後にはnullマウスと同程度の運動失調がみられず、その後に生じた変化が運動協調に大きな役割を果たしている可能性が示唆された。一方、mGluR1が発現していたmGluR1 cKOでのプルキンエ細胞に対する登上線維の投射は、Dox投与によるmGluR1発現の停止により変化せず、成体でのmGluR1は、登上線維によるプルキンエ細胞の単一支配の維持には必要ないことが明らかになった。 2.Homer結合部位に変異を持つmGluR1a(P1147E)のみをプルキンエ細胞で発現するレスキューマウスを解析し、mGluR1aとGluRdelta2や14-3-3との相互作用はHomerを必要としないことが明らかになった。さらにこのマウスでは、プルキンエ細胞-登上線維のシナプス除去に異常が見られ、mGluR1a-Homerの相互作用は運動協調能には不要であるが、シナプス除去による神経回路の成熟には必要であることが明らかとなった。 3.前脳特異的かつ時期特異的に優性不能型MEKを発現するマウスを作製・解析し、このマウスでは海馬歯状回で顆粒細胞数が減少していることが明らかとなった。この結果からERK経路が海馬歯状回顆粒細胞の増殖・生存等に関与していることが示唆された。
|
Research Products
(9 results)