2005 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質領野の形成と機能に関わる分子の探索と機能解析
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17024055
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
山森 哲雄 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 教授 (80260206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡我部 昭哉 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 助手 (40290910)
小峰 由里子 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 助手 (90280586)
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Keywords | 大脳皮質 / 領野 / 遺伝子発現 / 脳特異的転写因子 / アンチセンスRNA / c-Fos / 行動装置 |
Research Abstract |
「大脳皮質領野の形成と機能に関わる分子の探索と機能解析」をめざして、当初研究計画に達成すべき具体的戦略目標として掲げたものは次の6つである。(1)(霊長類の)大脳皮質領野間で顕著な発現パターンを示す遺伝子の網羅的分離と発現パターンによる分類を完成。(2)上記の代表的遺伝子(特に、occ1や連合野特異的と考えている134G,RLCS16遺伝子等)についてその分子細胞機能の解明。(3)上記の遺伝子の哺乳類間に於ける発現の変化を調べることにより哺乳類の脳進化機構の分子レベルでの解明。(4)脳特異的新規転写因子の機能解明。(5)視聴覚弁別学習課題に於ける、選択的注意に関わる大脳皮質領野の特定と細胞種の解明。(6)Wheel Running Systemに於ける、走行パターンの切り替わりに関与する線条体における細胞種の同定とその機能の解明。 これらの研究目標に対して、平成17年度中に以下の研究を報告した。 1)霊長類連合野特異的発現遺伝子としてRbpを見出した(2005年論文公表)。(2)occ1の分子機能解析はその結合分子を中心に現在進行中である。(3)視覚野特異発現遺伝子(occ1)の視覚野興奮性細胞に於ける活動依存性が霊長類特異的であることを発見した(2005年論文公表)。(4)脳特異的新規転写因子zfh-5のアンチセンスRNAがそのセンスRNAと脳に於いて相補的に発現していることを発見した(2006年論文公表)。(5)新視聴覚弁別課題システム下での前頭葉7-12Hz振動が覚醒から睡眠の移行に伴って増加することを見出した(2005年論文公表)。脳部位と細胞種の同定は現在進行中。(6)走行パターン変化時に於ける線条体nNOS陽性細胞のcFOS発現の一過的変化を観察し(2004年SFN学会報告)、更に行動薬理学的研究を進めている。
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Research Products
(7 results)