2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17025005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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Keywords | アミロイドβ蛋白 / 血液脳関門 / 排出輸送 / LRP-1 / P糖タンパ / Neprilysin / Brain Efflux Index法 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
本研究は、アミロイドβ蛋白(Aβ)の脳内消失過程における各消失過程の寄与率をin vivo実験系(Brain Efflux Index (BEI)法)を用いて明らかにすることを目的とした。Human Aβ(1-40)(hAβ(1-40))はラット大脳皮質から1.6x10^<-2>(min^<-1>)の速度定数で消失した。脳スライスに対する定常状態取り込み量からhAβ(1-40)の脳分布容積として0.69mL/g brainが得られ、脳消失クリアランスは11μL/(min g brain)となり、既報の血液から脳方向血液脳関門influxクリアランスの4.5-17倍大きかった。hAβ(1-40)の脳消失速度はhAβ(1-42)で阻害されたが、hAβ(1-43)hAβ(40-1)では阻害されなかった。hAβ(1-40)の脳消失速度をthiorphan(1mM),phosporamidon(10mM)が各々16,21%阻害したことから、大脳皮質におけるhAβ(1-40)の消失にNeprilysinは一部関与することが示唆された。hAβ(1-40)の脳消失速度をhuman RAPが20%阻害したことからLRP-1を介した排出輸送は20%寄与していることが示唆された。一方、hAβ(1-40)の脳消失速度をquinidine(5mM),verapamil(4mM)は全く阻害しなかったことから、P-gp/MDR1の寄与は無視できることが示された。アミロイドβ蛋白の脳消失経路として、Aβ(1-40)を認識する血液脳関門排出輸送系が働いており、大脳皮質からの消失過程の約80%を担っており、その経路におけるP-糖蛋白の寄与は無視出来、LRP-1の寄与も約20%しか見られないことが示唆された。未知の経路の関与は50%以上あることが示唆された。
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