2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17025008
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井原 康夫 Doshisha University, 生命医科学部, 教授 (60114386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟本 聡 , 生命医科学部, 准教授 (10345043)
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Keywords | γセクレターゼ / Aβ産生 / γ切断 / ε切断 / 膜内分解 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
γセクレターゼは膜に存在するアスパラギン酸プロテアーゼで、これまで50以上の分子が基質として報告されている。アルツハイマー病との関連からAPPのβセクレターゼ切断断片であるbeta CTF(C99)が基質として広く研究されているが、γセクレターゼの基質特異性については未解明のままである。γセクレターゼに基質特異性や基質切断の優先傾向が見いだせれば現在注目されている基質特異的(選択的)なAbeta産生抑制実現への手がかりとなることは明白である。われわれはこれまでにCHAPSO可溶化膜画分を利用したγセクレターゼ活性評価系を確立し、γセクレターゼの酵素学的性質の解明に取り組んできた。今年度はγセクレターゼの基質特異性について検討した。 N末端側にS189 subtilisin認識配列を挿入した組換え基質をSf9細胞で発現し、subtilisin affinity chromatographyにより精製した。この方法ではsubtilisin レジンに結合した組換え基質にフッ素イオンを添加すると、S189 subtilisin認識配列と基質N末端の間で正確な切断が起きる。これにより任意のN末端配列を持つ基質を作製することができる。各種調製済み基質をCHAPSO可溶化膜画分に添加し、それぞれの基質の細胞質ドメイン(intracellular domain,ICD)産生を検討した。その結果、上記4種類の基質の中でC99が著しい反応速度の低下を示した(他の3種のKm,Vmaxはほぼ同等であった)。また、C83とNotchの双方を基質として添加したγセクレターゼ反応液において、それぞれのICD産生が抑制された。 本研究で用いたsubtilisin affinity chromatographyは任意のN末端配列を保持する組換えタンパク質の調製に用いることができ、今後多数の基質の調製に応用することができる。C99は比較した基質の中で膜貫通領域からのN末端側が長鎖であるため、これが反応速度低下の原因と予想されるが、今後詳細な検討が必要である。
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Research Products
(13 results)