2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性シグナルの遺伝学的解析による疾患治療ターゲットの解明
Project/Area Number |
17025010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 正幸 The University of Tokyo, 大学院・薬学部研究科, 教授 (50202338)
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Keywords | プロテアソーム / ポリグルタミン病 / 神経変性 / 変性蛋白質 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ポリグルタミン病の発症機構を解明する目的で、これまでにショウジョウバエをモデルとした遺伝学的スクリーニングが複数の研究室によって行われてきた。遺伝学的スクリーニングとしては変異原を用いた順遺伝学が一般的であるが、ホモで致死になる遺伝子も多く、神経変性疾患モデルではあまり行われていないのが現状である。今回我々は、複眼特異的に伸長ポリグルタミン質を発現させたショウジョウバエを用いて、順遺伝学的スクリーニングを行った。本スクリーニングでは、変異原としてエチルメタンスルホン酸EMSを用いて点突然変異を誘発させ、得られた点変異を複眼特異的にホモ接合体とする遺伝学的テクニックを用いて行った。この方法の利点の一つは、点変異を複眼特異的にホモ接合体とすることによって、劣性致死でかつホモでポリグルタミン病の表現型を抑制する点変異を得ることができる点である。伸長ポリグルタミン発現によるrough eye表現型を抑制する系統が1つ得られたが、この系統は劣性致死であったため、その系統について染色体欠失領域を持つ系統とのトランスヘテロを用いて、致死性を判定基準とした相補性試験(complementation test)を行った。その結果、致死性を相補しない染色体領域を同定することに成功した。すなわち、この染色体欠失領域に劣性致死変異が存在すると考えられた。現在この領域内に存在する遺伝子のRNAi系統を入手し、伸長ポリグルタミン発現によって生じるrough eyeを回復させることができるのかを検討中である。本スクリーニングによって、生存に必須でかつポリグルタミン病の発症や進行に関わる内在性の因子が同定され、ポリグルタミン病を含めた晩発性神経変性疾患の発症、進行の新たなメカニズムが解明されると期待される。
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[Presentation] An effective and convenient method to express transgene by the combination of in utero electroporation and the Tol2 transposon system ; inducible or cell-type specific expression in glia2009
Author(s)
Yoshida, A., Yamaguchi, Y., Nonomura, K., Kawakami, K., Takahashi, Y., Miura, M
Organizer
日本発生生物学会 第42回大会
Place of Presentation
新潟
Year and Date
2009-05-28
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