2005 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的脳内グルタミン酸・GABA測定により統合失調症アミノ酸仮説の検討
Project/Area Number |
17025029
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大森 哲郎 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00221135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, 医学部, 教授 (20228654)
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Keywords | MRS / GABA / Glutamate / 統合失調症 / アミノ酸 |
Research Abstract |
高磁揚MR装置を用いたProton Magnetic Resonance Spectroscopy(1H-MRS)によりグルタミン酸とGABAを非侵襲的に定量することが可能となった。我々は、徳島大学病院に3tesla(3T)MRI装置が導入されたのを契機に、統合失調症を対象とした脳内アミノ酸神経伝達物質に関する検討を開始した。まず、3T装置と1.5T装置での1H-MRS精度を比較したところ、3Tは1.5Tに比べてNAA、Cho、Gln、Glu、GABA、mIのすべての物質についてS/Nが高く、%SDが著しく減少し、アミノ酸神経伝達物質を含む脳内物質の高精度の定量が可能となったことが確認された。つぎに、benzodiazepineが脳内GABAに与える影響について10人の健常男性を対象に検討した。前部帯状回皮質と左基底核にsingle voxelを置き、両部位のGABA濃度をbenzodiazepine(alprazolam0.4mg)を経口服薬させた前後に測定したが、両部位ともにGABA濃度に有意な変化は見られなかった。この結果は後頭葉において変化を認めた先行研究とは異なっている。被験者数、服薬量などさらに検討すべき問題もあるが、精神疾患に対して広く使われるこの薬物がこれらの部位では1H-MRS結果を修飾しないと考えられる。統合失調症患者を対象とする検討では、未治療例に関しては8人(男性4名、女性4名)を解析に導入できた。前部帯状回と左基底核における、NAA、Cho、Gln、Glu、GABAおよびmI濃度を定量したが、現段階では対照群に有意差を認めていない。あくまで予備的な段階であり、測定部位を検討しながら、症例数を増やす必要がある。
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Research Products
(4 results)