2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17025044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
貫名 信行 The Institute of Physical and Chemical Research, 病因遺伝子研究グループ, グループディレクター (10134595)
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Keywords | ハンチントン病 / ポリグルタミン / 凝集体 / 凝集体結合蛋白 / 転写因子 |
Research Abstract |
ハンチントン病はその原因遺伝子のCAGリピートによる遺伝子産物のポリグルタミンの伸長、それに伴う核内封入体形成がその病態に強く関与していると考えられている。特に多くの遺伝子発現の異常に何らかの転写因子が関与していると示唆されてきたが、必ずしも病態に深く関わる転写因子が同定されているとはいえない。そこで凝集体結合蛋白を直接解析することとした。 1.ハンチントン病細胞モデルからポリグルタミンによる凝集体を精製し、その結合蛋白を質量分析により網羅的に解析した。その中で従来結合が報告されていなかった転写因子であるNF-Yについてさらに解析を進めた。 2.NF-YはA,B,Cのサブユニットからなる転写因子で細胞モデル、マウスハンチントン病モデルの核内封入体と共局在することを確認した。 3.さらにハンチントン病で発現減少するHSP70のプロモーター領域に結合することが知られていることから、可溶性分画のNF-YAについてゲルシフト法によって解析したところHSP70プロモーターに結合するNF-YAの減少が確認された。またその可溶性画分におけるNF-Yの量も減少していた。 4.HSP70のNF-Y結合モチーフに変異をいれるとプロモーター活性が減少することを神経細胞で確認した。 以上の結果NF-Yはポリグルタミン病において核内封入体に結合し、機能性のNF-Yが減少することでHSP70を含む遺伝子発現の異常を引き起こすことが示唆された。
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Research Products
(4 results)