2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17025044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
貫名 信行 The Institute of Physical and Chemical Research, 病因遺伝子研究グループ, グループディレクター (10134595)
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Keywords | ハンチントン病 / ポリグルタミン / 凝集体 / 凝集体結合蛋白 / RNA結合蛋白 / クロスシード |
Research Abstract |
ハンチントン病はその原因遺伝子のCAGリピートによる遺伝子産物のポリグルタミンの伸長、それに伴う核内封入体形成がその病態に強く関与していると考えられている。本研究では、Htt凝集体に含まれる蛋白質の一つとしてRNA結合蛋白質であるTIA-1を同定し、TIA-1がHtt凝集体に取り込まれるメカニズムとして、polyQ線維によるTIA-1の線維化促進を提案した。異常伸長したpolyQを持つ変異Httを発現したトランスジェニックマウス(R6/2)において、大脳のホモジェネートのうちSDS不溶性画分に変異Htt凝集物とともにTIA-1を確認することができた。一方、野生型マウスではSDS不溶性画分にTIA-1は認められなかった。TIA-1はRNA結合を行うN末端領域とグルタミン(Q)/アスパラギン(N)に富んだC末端領域(TIA-1C)からなるが、培養細胞を用いた実験から、polyQ凝集体との共局在にはTIA-1Cが必須であることを明らかにした。そこで、試験管内においてTIA-1C存在下でpolyQを凝集させると、polyQ線維内にTIA-1Cが取り込まれていることを免疫電顕により確認した。線維の形成は「核形成」と「伸長」の二段階からなるが、ある蛋白質の線維が別の蛋白質の線維化の核として働くことがある(cross-seeding)。そこでTIA-1CにpolyQ線維を加えるとTIA-1Cの線維化が促進されることが分かった。以上の結果から、異常伸長したpolyQからなる線維状凝集体が他の蛋白質の線維化を促進していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)