2005 Fiscal Year Annual Research Report
物質使用障害克服に向けた渇望感抑制法の開発:ヒト及びモデル動物における研究
Project/Area Number |
17025054
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
池田 和隆 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員(研究ディレクター) (60281656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 慎也 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (20399471)
高松 幸雄 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (40370978)
妹尾 栄一 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員(研究ディレクター) (30226675)
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Keywords | 薬物依存 / 渇望感 / フルオキセチン / SSRI / パロキセチン / 評価尺度 / ASI / 塩酸ドネペジル |
Research Abstract |
<研究目的> 医学的、社会的に重大かつ深刻な問題である物質使用障害について、遺伝子欠損マウスを用いた分子メカニズムの解明、その知見に基づいた候補治療薬の選定および動物での治療効果検討、物質使用障害重症度評価系の構築、およびこれらを総合した候補治療薬の患者における治療効果検討を行い、物質使用障害治療の改善方法の提言を目的とした。 <研究成果> 本研究により、渇望感制御におけるドーパミントランスポーターの重要性、オピオイドシステムとドーパミンシステムによる快情動の違い、セロトニントランスポーター阻害薬であるフルオキセチンによる覚せい剤嗜好性抑制、フルオキセチンやイフェンプロディールによるG蛋白質活性型内向き整流性カリウム(GIRK)チャネルの阻害、ヘロインやモルヒネなどのオピオイド性麻薬に対する感受性個人差を生み出す遺伝子メカニズムの一部、アルツハイマー病治療薬の塩酸ドネペジルによる覚せい剤嗜好性抑制、覚せい剤による脳内遺伝子発現変化の一部、が明らかになった。さらに、これらの知見を臨床応用するために、物質使用障害重症度評価系として日本語版ASI(Addiction Severity Index)の標準化を行うとともに、渇望感および再使用危険度の評価尺度を新たに開発し、標準化を終えた。これらの評価尺度は、10以上の医療機関で実施されているほか、保護観察所、刑務所などでも実施されつつあり、物質使用障害治療の改善に貢献している。
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Research Products
(26 results)