2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の免疫機序の解析と新しい治療法の開発
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17025056
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
田平 武 国立長寿医療センター, (研究所), 研究所長 (80112332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 慶吉 国立長寿医療センター, (研究所)・血管性認知症研究部, 部長 (40117148)
原 英夫 国立長寿医療センター, (研究所)・血管性認知症研究部, 室長 (00260381)
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Keywords | アルツハイマー病 / ワクチン / 免疫 / アミロイド / 老人班 |
Research Abstract |
アルツハイマー病のワクチン療法が注目されている。合成ペプチドとアジュバントよりなる筋註するタイプのワクチンAN-1792は副作用としての髄膜脳炎が起こった為、その治験は中止された。我々はウイルスベクターを用いて安全と思われる経口、経鼻ワクチンを開発した。しかし、さらに安全でかつ有効な免疫療法を模索する必要がある。そこで、我々は次の3つのアプローチを行った。 1.内在性Aβ結合蛋白に抗体のFc部分を結合させた遺伝子を構築し、人工オプソニンを作製した。しかし残念ながら作られた蛋白質が不溶性であり、その効果をin vitro, in vivoで確かめられなかった。 2.受動免疫による免疫療法を開発する為にマウスを凝集Aβ1-42で免疫し、所属リンパ節細胞からB細胞を分離し形質細胞腫と融合した。この融合細胞をスクリーニングし、96個の中から6個の陽性クローンを得た。そのうちの1個がIgG2bであり、他はIgMであった。このIgG2b抗体は老人斑の周辺に主に結合した。現在、更にその特性を検討中である。この抗体のヒト型化を行ったが、まだ良い抗体が得られていない。 3.老人斑除去に関わる貪食細胞は中枢のミクログリアではなく、骨髄由来のマクロファージがミクログリアの形態をとったものであるとのSimardら(2006)の報告を受け、末梢のマクロファージを活性化することが知られている十全大補湯の作用を調べた。12カ月齢のtg2576マウスに十全大補湯を投与したマウスでは中枢神経系にCD11b陽性ミクログリアの著明な増殖とAβ貪食像が見られ、老人斑アミロイドの有意な減少が観察された。また、脳のギ酸画分中Aβも50%の減少が見られた。以上より、漢方薬十全大補湯はアルツハイマー病の免疫療法の補助剤になり得ると考えられる。
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[Journal Article] Altered localization of amyloid precursor protein under endoplasmic reticulum stress.2006
Author(s)
Kudo T, Okumura M, Imaizumi K, Araki W, Morihara T, Tanimukai H, Kamagata E, Tabuchi N, Kimura R, Kanayama D, Fukumori A, Tagami S, Okochi M, Kubo M, Tanii H, Tohyama M, Tabira T, Takeda M
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Journal Title
Biocnem Biopnys Res Commun 344
Pages: 525-530
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