2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の免疫機序の解析と新しい治療法の開発
Project/Area Number |
17025056
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田平 武 Juntendo University, 医学研究科, 客員教授 (80112332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 慶吉 順天堂大学, 国立長寿医療センター研究所, 部長 (40117148)
関山 敦生 兵庫医科大学, 先端医学研究所, 非常勤講師 (30403702)
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Keywords | アミロイド / ミクログリア / ワクチン / 漢方薬 / 十全大補湯 |
Research Abstract |
背景 : 我々はウイルスベクターを用いたアルツハイマー・ワクチンを開発し、動物でその有効性・安全性を示した。その作用機序として骨髄由来ミクログリアの脳への移行促進と活性化によるアミロイドの貪食除去が考えられている。末梢免疫賦活作用のある漢方薬・十全大補湯をアルツハイマー病のモデルマウスに投与したところ、著明な老人斑の除去効果、形成抑制効果を認めた。そこでそのメカニズム解明を行った。 方法 : ミクログリアを培養し十全大補湯で刺激後増殖反応、凝集Abeta42の食食能を調べた。また、活性化表面抗原をflow cytometryで調べた。次にマウスに十全大補湯を経口投与し、骨髄由来マクロファージ系の細胞について、凝集Abeta42の貪食能を調べた。さらにB6を遺伝的背景とするGFPトランスジェニックマウス由来骨髄細胞を致死的X線照射したB6マウスに移植した後、脳内に凝集Abeta42を注入し、脳に浸潤するGFP陽性のミクログリア/マクロファージについて十全大補湯投与マウスと対照マウスを比較した。 結果 : 十全大補湯はin vitroでミクログリアを活性化し、増殖を促進した。また、十全大補湯を添加するとミクログリアのAbeta42貧食能が亢進した。また、活性化マーカーであるCD-11bがLPSと同等に表出された。十全大補湯を経口投与したマウスの骨髄由来マクロファージのAbeta42貧食能は亢進が見られた。十全大補湯を投与した骨髄移植キメラマウスではGFP陽性細胞の脳内浸潤が対照より多く見られた。しかし、Abeta42注射部位のみでなく、反対側の生理食塩水注入部位でも多数観察された。 結論 : 十全大補湯はin vitro, in vivoでミクログリア、骨髄由来ミクログリア1マクロファージの活性化を誘導し、アミロイド貪食を亢進させる。
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Research Products
(5 results)