2005 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ母性RNA局在・翻訳制御の共役における細胞核・細胞質連携の解析
Project/Area Number |
17026003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢野 環 東北大学, 大学院・薬学研究科, 産学官連携研究員 (50396446)
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Keywords | RNA局在 / 翻訳制御 / RNP複合体 / 体軸形成 / oskar mRNA / 細胞極性 |
Research Abstract |
細胞質における因子の空間的制御に重要であるmRNAレベルでの制御、すなわちmRNA局在とそれに共役した翻訳制御には、核内におけるスプライシング等のイベントが重要であることが明らかになりつつあるが、その分子メカニズムはいまだ不明である。これまでに、核と細胞質をシャトルするRNA結合蛋白質の1つであるHrp48が、ショウジョウバエ卵母細胞の前後軸決定因子oskarのmRNAとRNP複合体を形成し、その細胞内局在と翻訳制御に必須であることを示してきた。本研究の目的は、Hrp48を含むRNP複合体構成因子の解析と、核内と細胞質でのoskar mRNA-Hrp48-RNP複合体の変化を解析することにより、mRNA局在・翻訳制御における細胞核-細胞質の連携メカニズムを明らかにすることである。 本年度は、ショウジョウバエ培養細胞であるS2細胞において、様々な欠損を有するHrp48蛋白質の発現系を構築し、その細胞内局在を免疫染色により検討することで、Hrp48における核移行シグナルの同定を行った。その結果、N末端から240番目から287番目のアミノ酸に、ヒトのRNA結合蛋白質hnRNP A1における核移行シグナルであるM9配列に類似した配列があり、この配列の一部のアミノ酸の変異によりHrp48が核移行しなくなることを明らかにした(第7回日本RNA学会大会、第78回日本生化学会大会にて報告)。さらに、Hrp48と卵母細胞内においてRNP複合体を形成する因子の単離同定のために必要な、タグのついたHrp48蛋白質、oskar mRNA局在に機能欠損のでる変異Hrp48蛋白質発現のための形質転換動物の作成を行った。
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