2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17026010
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (30273220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20359673)
井手上 賢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助手 (20420250)
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Keywords | 遺伝子発現制御 / RNAスプライシング / RNAプロセシング / RNA安定性制御 / 試験管内反応系 / RNA結合蛋白質 / イントロン / 核小体低分子RNA |
Research Abstract |
哺乳類細胞の核内では、プロセシングが完成した成熟mRNAのみを細胞質に輸送するために、スプライシング反応に依存してmRNA上にリクルートされるエクソンジャンクション複合体(EJC)が知られている。しかしEJCがどのようにスプライシング依存的に成熟mRNA上に選択的に会合できるのかについては、何も分かっていない。本年度の研究によって、EJC会合に関る新規スプライシング因子IBP160を同定した。IBP160は、スプライシングのC1複合体と呼ばれる後期ステップ特異的にイントロンに結合する因子である。今回C1複合体中でEJC会合がIBP160を介してイントロン上で行われていることを示す新しいデータを得た。この結果は、将来エクソン上に会合するEJCの会合中間体を捉えた可能性を示唆しており、これによって何故EJC会合がスプライシングに依存して起こるのかという問題を説明できる可能性がある。 この他にIBP160はイントロン上にコードされる核小体低分子RNA (snoRNA)の生合成にも関っている可能性が、我々によって示されていたが、本年度のRNAiによるIBP160のノックダウン実験によって、IBP160がsnoRNAへのタンパク質の会合に必須である事が明らかになった。以上のことは、IBP160がイントロンに結合することが、エクソンおよびイントロンのその後の経路を決定する重要なステップであることが強く示唆された。 核内には様々な異常なRNAを除去する品質管理機構が存在する事が示唆されているが、特に哺乳類における核内品質管理機構の実体は明らかではない。そこで酵母で核内品質管理現象の様々な側面に登場するexosome構成因子のRrp6のヒトオーソログ(hRrp6)について、抗体の作成、RNAiによるノックダウン条件の至適化などを行った。
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