2005 Fiscal Year Annual Research Report
Nod factorと遠距離シグナル物質による共生器官の生成と安定化
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17027010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 正代司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30260508)
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒形成 / 遠距離シグナル伝達 / 茎頂分裂組織 |
Research Abstract |
根とシュートの遠距離シグナル伝達によって根粒形成を制御するHAR1レセプター様キナーゼ遺伝子は、シロイヌナズナでは茎頂分裂組織を制御するCLV1、イネでは花芽分裂組織を制御するFON1と最も高い相同性を示す。今年度はゲノム解析の進む早咲きミヤコグサMiyaojima MG-20よりhar1のnull alleleを3系統見いだしたが、表現型の異常は根粒の過剰着生と側根数の増加のみであり、茎の帯化や花器官の増加は観察されない。このことは、HAR1はCLV1と非常によく似た遺伝子でありながら、その機能には重複がないことを意味している。進化の重複遺伝子説に従えば、マメにはHAR1の他にメリステムで機能するCLV1様遺伝子が存在するはずであるが、ミヤコグサではHAR1以外CLV1様遺伝子を見つけることができなかった。 エンドウの根粒過剰着生変異体の中に茎が顕著に帯化するもの(Pssym28)がある。接ぎ木実験からPssym28はhar1同様シュート由来の根粒抑制物質「オートレギュレーションシグナル」を欠損していることが示唆されている。早咲きミヤコグサのMiyakojima MG-20にHe^<2+>を照射した後代から、Pssym28変異体によく似た変異体が単離され、klavier(klv)と名付けた。klvは茎の帯化の他、維管束の異常と花成の顕著な遅延が観察された。また、花の数や雌蕊の数における増加が観察された。klvの茎頂分裂組織は今後詳細に調べる必要があるが、KLVがマメのそれを制御する初めての因子になる可能性が高い。KLVはミヤコグサ第1染色体の中程にマップされ、候補遺伝子を特定した。候補遺伝子は、CLV2やCLV3とは異なる未だ機能の知られていない遺伝子であった。
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Research Products
(7 results)