2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17027011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衛 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教授 (50260039)
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Keywords | シロイヌナズナ / ジャスモン酸 / オーキシン / 花器官伸長 / 維管束 / メリステム |
Research Abstract |
1.開花(花器官の伸長)に異常を示す突然変異体の解析 ジャスモン酸が減少する突然変異体とよく似た、開花遅延の表現型を示す突然変異体としてarf2を単離した。さらにarf6 arf8二重突然変異体も同様の表現型を示すことがわかった。arf6 arf8二重突然変異体では蕾のジャスモン酸量が著しく減少しており、ARF6とARF8がDAD1の発現を介してジャスモン酸の生合成を制御している可能性が考えられる。一方、これらの突然変異体では花弁の維管束の形成に異常が見られることがわかった。野生型の蕾をオーキシンの極性輸送阻害剤で処理すると類似の表現型が現れたことから、ARF2,6,8はオーキシンの制御下で花弁の維管束の形成に関与していると考えられる。 #15-4413突然変異体については、マップベースクローニングにより原因遺伝子の候補をほぼ同定した。 2.DAD1遺伝子のプロモーター解析 ジャスモン酸生合成経路の酵素の遺伝子のうち、開花に先立って明瞭な発現上昇を示すことがわかっているのはDAD1だけである。そこで、GUSレポーターを用いてプロモーター解析を行い、開花前の花糸特異的な発現に必要な領域を約200bpの範囲まで狭めることができた。 3.メリステムの維持におけるSHDタンパク質の機能の解析 Wsバックグラウンドのshd-1がclvと類似の表現型を示すのに対し、Colバックグラウンドのshd-2ではメリステムの肥大は見られない。この理由を調べた結果、原因はCLV2遺伝子にあることがわかった。Col型のCLV2はSHDの活性なしでも正常な機能を持つが、Ws型のCLV2はSHDがないと機能発現できない。CLV2はエコタイプ間での塩基置換・アミノ酸置換の頻度が他の遺伝子よりも高いことが知られており、この遺伝子はHSP90の一種であるSHDの作用で変異が隠蔽された結果、機能に異常を来さないまま潜在的な変異を蓄積したのではないかと考えられる。
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Research Products
(3 results)