2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17027015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 正樹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (10242851)
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Keywords | 植物細胞 / 細胞分裂 / 細胞増殖 / 転写因子 / シロイヌナズナ / Myb / 細胞質分裂 |
Research Abstract |
植物はMyb転写因子をコードする大きな遺伝子ファミリーを持っているが、そのうちMybドメインが3つの繰り返し配列から構成されるMyb(3R-Myb)が小さなサブファミリーを形成しており、それらが細胞周期のG2/M期特異的な転写制御に関わっていることを明らかにしてきた。シロイヌナズナの3R-Mybは構造的、機能的に3種類、すなわち転写活性化因子であるA-type、抑制因子であるB-type、機能未知のC-typeに区別することができる。本研究ではこれらのMybの遺伝子破壊株を用いた機能解析を行った。 1.シロイヌナズナには3R-Mybコードする遺伝子が5つ存在しており(MYB3R1〜MYB3R5)、そのうちA-type 3R-Mybが二個存在している(MYB3R1とMYB3R4)。昨年度までの研究から、この二つの遺伝子の二重変異体は、核分裂、細胞質分裂、分裂面決定の機構に欠損を持つことを明らかにした。今年度は、この二重変異体が示すサイトキネシスの異常がA-type 3R-Mybの標的遺伝子であるKNOLLE遺伝子の発現の低下が原因であることを遺伝学的解析から突き止めた。 2.A-typeに加え、B-typeやC-typeの3R-Myb遺伝子の破壊株も作成し、転写産物レベルを網羅的に解析した。その結果、A-type 3R-Mybの変異体ではKNOLLEを含む一群のG2/M期遺伝子の発現低下が見られ、逆にC-type 3R-Mybを欠くと別の一群のG2/M期遺伝子が野生型よりも強く発現することが明らかになった。つまりシロイヌナズナのC-type 3R-Mybは転写抑制因子である可能性が示された。次年度はC-type 3R-Mybの破壊株の解析を中心に行う予定である。
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