2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17027018
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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Keywords | 微小管 / アラビドプシス / 左右性 / チューブリン / 変異株 |
Research Abstract |
アラビドプシスのねじれ変異株では根、胚軸、葉柄、花弁などの伸長器官の表皮細胞が器官軸に沿ってまっすぐに伸長できず、右または左に傾いて伸長する。このねじれ方向の左右性は変異株により決まっている。これまでの細胞生物学的解析により、表層微小管束の配向異常が細胞壁のセルロース微線維の配向を変化させ、その結果として細胞の伸長軸が右または左にずれて伸長するというモデルが考えられる。平成17年度は以下の成果を挙げた。 1)22種のチューブリン変異株(右巻きねじれ13株、左巻きねじれ9株)の胚軸上部表皮細胞における、表層微小管のプラス端(leading end)の動態をGFP-TUBマーカーを用いて、観察、定量したが、巻きの方向性と直接的に対応する動態パラメーターは見いだせなかった。αチューブリンのGTPase活性化領域のアミノ酸変異は右巻きの細胞伸長(左巻きヘリックスの表層微小管)をもたらし、この変異株では微小管プラス端伸長マーカーであるGFP-EB1がプラス端のみならず、微小管本体に広く局在した。すなわち、微小管全体がプラス端様の構造(性質)を帯びていることを示唆する。変異微小管のプラス端の動態は野生型と大きくは違わなかったが、マイナス端(lagging end)の動態は安定化へと大きく変化していた。 2)SPR2は植物特有の微小管付随タンパク質(MAP)であり、ほぼ全長にわたりHEATリピート構造をもつ。部分長の組換えSPR2タンパク質の微小管結合活性を調べたところ、N末とC末の2つの領域に微小管結合活性が存在することが判明した。
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Research Products
(3 results)