2005 Fiscal Year Annual Research Report
気孔発達過程における孔辺細胞の分裂と相称的形態形成の分子機構
Project/Area Number |
17027020
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中川 強 島根大学, 総合科学研究支援センター, 助教授 (30202211)
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Keywords | 植物 / シロイヌナズナ / 気孔 / 孔辺細胞 / 形態形成 |
Research Abstract |
植物表皮の気孔は大気とのガス交換調節を行う重要な構造である。我々は高等植物における細胞分裂や細胞分化の仕組みを解明することを目的に、シロイヌナズナの気孔形成突然変異体を用いて孔辺細胞の発達に関わる遺伝子の単離・解析を進めてきた。本年度の本研究課題では特に孔辺母細胞の分裂に関する変異体(shabondama40)および分裂後の孔辺細胞形態構築に関する変異体(MC79)に着目して研究を進めた。 MC79はleucine rich repeatを持つreceptor like kinaseの変異体で、孔辺細胞の伸長方向や湾曲方向が異常になる表現型を示す。MC79はメリステモイドから孔辺細胞母細胞の細胞膜と根の先端部分表皮での発現が観察されている。今回、MC79信号伝達系の因子を探索するためキナーゼドメインを用いてtwo hybrid screeningを行ったところ、eIF3C1(eukaryotic initiation factor 3 subunit c)が選抜された。このeIF3cの発現解析を行ったところ、根の先端、側根原基、トライコームにおける発現が認められた。このことより、eIF3cは根においてMC79と何らかの相互作用を有していることが示された。eIF3cの破壊株は致死となるため、今後抑制株を作製して機能解析を、細胞の極性獲得、形態構築における情報伝達系の働きについて理解を深める。 Shabondama40は出芽酵母Sec31ホモログの変異体で、孔辺母細胞の細胞質分裂が不完全となる表現型を示す。Sec31はSec13と結合して働くため、シロイヌナズナのSec13遺伝子をクローニングし、Sec31との局在比較を行った。シロイヌナズナ培養細胞での一過的発現系を用いて解析を行ったところ、Sec31、Sec13の両者が同じ局在を示し、またERマーカーとも重なったため、両者が配列から推定される通り、ER上で働いていることが示された。
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[Journal Article] Loss of AtPDR8 a Plasma Menbrane ABC transporter of Arabidopsis thaliana, Causes Hypersensitive Cell Death Upon Pathogen Infection.2006
Author(s)
Kobae, Y., Sekino, T., Yoshida H., Nakagawa, T., Martinoia, E., Maeshima M.
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Journal Title
Plant and Cell Physiology 47
Pages: 309-318
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