2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネの縦方向の伸長を制御する3量体Gタンパク質の機能解明
Project/Area Number |
17027023
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 行玄 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (20193732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久晴 石川県立大学, 講師 (40281042)
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Keywords | 3量体Gタンパク質 / シグナル伝達 / 植物 / 遺伝子 / 発生分化 |
Research Abstract |
(1)イネ3量体Gタンパク質αサブユニット遺伝子は、細胞数を制御する。 日本晴とそのd1(DK22)の幼苗における組織の長さ、細胞数、細胞長を観察した。組織の長さに関しては、このdlは野生型に対して、葉鞘、葉身とも、野生型の46%の長さであった。各葉位の層ごとの細胞長を測定した結果、このdlの細胞長は、野生型の92%であった。以上の結果から、d1(DK22)の組織の長さが1/2である原因は、細胞数の減少であると判断した。 (2)イネGタンパク質βγサブユニットは、αサブユニットとは複合体を形成していない可能性が高い。 HAタグを有するαサブユニットは、細胞膜に局在し、かつ400KDa複合体に含まれることを確認した。HA抗体で生成した画分には、β、γサブユニットは存在しなかった。この結果は、イネでは、αサブユニットは未知のサブユニットと複合体を形成し、βγサブユニットは解離しやすいことが示された。動物3量体Gタンパク質と比較すると、植物αサブユニットは、βγサブユニットと弱い相互作用をしていると考えられる。 (3)βγサブユニットは、αサブユニットとは異なった機能を有する。 野生型とd1それぞれに、RNAi法を用いてβサブユニット遺伝子の発現抑制を行った。野生型イネにβサブユニット遺伝子の発現抑制を行った形質転換体は、d1が示す顕著な矮性を示さなかった。特に、8葉期以降でラミナ部位が顕著に細胞死を示す傾向を示した。以上の結果は、βサブユニットは、αサブユニットとは異なるシグナリングを制御している可能性を示唆した。
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[Journal Article] A large-scale collection of phenotypic data describing an insertional mutant population to facilitate functional analysis of rice genes.2006
Author(s)
Miyao, A., Iwasaki, Y., Kitano, H., Itoh, J., Maekawa, M., Murata, K., Yatou, O., Nagato, Y., Hirochika, H.
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Journal Title
Plant Mol.Biol 63
Pages: 625-635
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