2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイド情報伝達による植物軸形成の制御機構
Project/Area Number |
17027027
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中野 雄司 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (30281653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 忠男 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 副主任研究員 (90231901)
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Keywords | アラビドプシス / ブラシノステロイド / アクティベーションタギング / 情報伝達 / 光形態形成 / トリアゾール化合物 / 胚軸伸長 / 花茎伸長 |
Research Abstract |
ブラシノステロイド生合成阻害剤Brz存在下の暗所発芽時において、野生型Arabidopsisは暗所下ながら光形態形成を示す。ブラシノステロイド細胞内情報伝達の分子機構の解明およびその植物軸形成の関わりの解明を試みることを目的に、この暗所Brz条件下において光形態形成を示さない半優性の胚軸徒長形質変異bil5(Brz-insensitive-long hypocotyl5)をfast neutron変異種子から選抜した。ブラシノステロイド欠損突然変異体は、ロゼッタ葉の縦方向の短化と花茎の水平方向肥大傾向を伴う太く短いタイプの矮性形質を示すが、bil5はそれらとは異なり、ロゼッタ葉が細長形態での縮小、花茎の垂直方向の短化と水平方向の細化を伴う細矮性slender dwarf様の特徴的な矮性形質を示した。このbil5について、fine mappingを進めた所、bil5変異体ゲノム上の新規遺伝子ORF内に100%の脱メチル化変異を検出した。この脱メチルによる遺伝子発現の活性化が半優性変異bil5の原因と考えられたため、高発現形質転換体の作出などを進めた。 同様の条件下において、Arabidopsisアクティベーションタギング変異ラインのスクリーニングを行った所、bil5に次ぐ強いBrz耐性を示す半優性変異体bil4を選抜した。これらはbil5と同傾向の細矮性slender dwarf様の形質を示した。但し、bil4において花茎数と分枝数が野生型よりも増加する点、矮性で成長が一旦静止した花茎が成長後期に再伸長を示す点がbil5と異なっていた。このbil4変異原因候補遺伝子は、bil4候補遺伝子は細胞膜局在性と予測される7回膜貫通ドメインを持つ遺伝子であり、この高発現型形質転換体において、暗所Brz存在下で胚軸徒長を示したと考察し得る個体が得らた。
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Research Products
(5 results)