2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規脱ユビキチン化酵素AMSHノックアウトによるユビキチン病発症機構の研究
Project/Area Number |
17028005
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
田中 伸幸 宮城県立がんセンター(研究所), 免疫学部, 部長 (60280872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 和子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20137631)
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Keywords | 蛋白質 / 脱ユビキチン / ESCRT / AMSH |
Research Abstract |
細胞表面蛋白は「積荷蛋白(cargo)」として、エンドソームにおいて、選別輸送・分解を受ける。cargoの小胞への輸送・分解にはユビキチン修飾が重要である。我々は以前にSTAMおよびHrsを同定したが、これらは複合体を形成しユビキチン化cargoを初期エンドソーム上で選別輸送する。本研究ではSTAM結合分子AMSHを同定した。AMSHは脱ユビキチン活性を有することが報告されたため、小胞輸送における機能の解明するためAMSH会合分子を同定した。TOF-MS法により小胞輸送関連蛋白CHMP3を同定し、これらが複合体を形成しMVBおよび後期エンドソーム上で機能することがわかった。AMSHは、N末端領域を介してCHMP3と結合し、CHMP3結合能を欠いたAMSH変異体を発現すると細胞内小胞の拡大とユビキチン化蛋白の蓄積を認めた。同様の小胞異常は、AMSHのノックダウン、あるいは活性欠損変異体の発現によっても認められた。AMSH欠損マウスを作ったところ、アルツハイマー病様の神経変性疾患を発症し生後3週間程度で死亡した。AMSH欠損マウスの変性神経細胞内にユビキチン化蛋白が蓄積していることが分かった。脱ユビキチン化酵素AMSHが、基質蛋白の分解を制御することにより、神経細胞生存・維持に重要な役割を担っていることが示唆された。蓄積したユビキチン化蛋白の同定においては、2次元電気泳動において有意に蓄積する蛋白を複数認めていることから、今後質量分析法を用いて蛋白同定を行うことで新たな神経変性疾患の病態解明が期待される。
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Research Products
(4 results)