2005 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内遺伝子発現系を用いたタンパク質の機能発現プロセスの研究
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17028010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80184927)
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Keywords | リボソーム / 生体外蛋白質合成系 / シャペロン / GroEL / 反転膜小胞 |
Research Abstract |
リボソーム上で合成された新生ペプチドは、複雑なプロセスをへて、機能を持つ多様な形態の成熟型蛋白質となる。私たちは、近年、翻訳過程に必須な因子のみ構成された試験管内遺伝子発現系PURESYSTEMを再構築し、蛋白質の誕生プロセスを無細胞化した。このシステムの発展型として蛋白質成熟プロセスに関与する因子群をPURESYSTEMに共存させた複合型無細胞システムを開発し、蛋白質の成熟過程のメカニズム解明することを本研究の目標としている。 まず、新生蛋白質のフォールディングにおける分子シャペロンの役割、および翻訳と共役したフォールディングプロセスを解析するために、フォールディングに関与するシャペロンの共存させたPURESYSTEMを構築した。従来のシャペロンのフォールディングへの関与に関する仮説を検証することを目的として、このシステムを用いた解析を進めている。単鎖抗体(scFv)を用いた実験では、DnaKシステム(DnaK-J/GrpE)とトリガーファクターは、新生蛋白質の可溶化率とその抗原結合活性の向上に著しく効果があり、合成されたscFvの正確な折り畳みを促進することが示された。また、トリガーファクターとDnaKシステムがco-translationalおよびpost-translationalの両プロセスで新生蛋白質の凝集を抑えることが明らかとなった。また、これらのシャペロンの基質となる蛋白質を、大腸菌遺伝子から検索し、シャペロンニン(GroEL/ES)に依存してフォールディングする基質蛋白質-stringent substrate-を見いだ,した。GroEL/ES-dependentフォールディングプロセスをin vitroで解析したところ、今まで言われたpost-translationalプロセスではなく、新生ポリペプチド-リボソーム-mRNA複合体に結合し、co-translationalプロセスでフォールディングに寄与する可能性が高いことが示された。また、このプロセスで、GroESは翻訳後終了後にGroELに結合することが明らかとなった。
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[Journal Article] Esterification of Escherichia coli tRNAs with D-histidine and D-lysine by aminoacyl-tRNA synthetases.2005
Author(s)
Takayama, T., Ogawa, T., Hidaka, M., Shimizu, Y., Ueda, T., Masaki, H.
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Journal Title
Biosci Biotechnol Biochem 69(5)
Pages: 1040-1041
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