2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレフォルディンとII型シャペロニンによるタンパク質フォールディング分子機構の解明
Project/Area Number |
17028013
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
養王田 正文 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (50250105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾高 雅文 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (20224248)
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Keywords | シャペロン / シャペロニン / 超宏熱性古細菌 / フォールディング / プレフォルディン |
Research Abstract |
我々は、超好熱性古細菌Thermococcus sp.strain KS-1由来II型シャペロニンがin vitroで高いフォールディング能を示すことを有効に利用し、II型シャペロニンの分子機構と補因子プレフォルディンとの協調作用機構に関する研究を行った。本年度の成果は以下の通りである。全長サブユニットのC末端配列をプロテアーゼ認識配列に置換した後,隣接するサブユニットのN末端側と連結した発現系を作成した。タンパク質を発現および精製後に,プロテアーゼを用いてリンカー配列を切断することで,活性のあるシャペロニンを得ることに成功した。そこで,この系を用いて,野生型サブユニットと3種類の変異体サブユニット((1)ATP加水分解能はあるものの構造変化が起こらない変異体:G65C,(2)ATP加水分解能を欠失した変異体:ΔATPase,(3)helical protrusionを欠失した変異体:Δhelical)でそれぞれ構成される様々なヘテロオリゴマーを作成し,機能解析を行った。その結果,WT-G65C連結シャペロニンでは,野生型シャペロニンと同様なATP結合に伴う構造変化と,タンパク質フォールディングが起きている結果が得られた。WT-ΔATPase連結シャペロニンでは,ATP結合に伴う構造変化が正しく起きていなかったが,タンパク質フォールディングを行うことができた。しかし,その一方で,WT-Δhelicalでは,タンパク質フォールディングを行うことができず,ATP依存的な構造変化も起きていないことが明らかとなった。以上の結果から、Group II型シャペロニンのタンパク質フォールディングでは,隣接するサブユニット間のATP加水分解に伴う協調機構は余り重要ではないが、各サブユニットのhelical protrusion間の協調した構造変化が重要であることが新たに示唆された。また、シャペロニンのプレフォルディン相互作用部位を同定し、結合速度と蛋白質受け渡し速度に相関があることを明らかにした。
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[Journal Article] Functional expression of thiocyanate hydrolase is promoted by its activator protein, P15K.2006
Author(s)
S.Kataoka, T.Arakawa, S.Hori, Y.Katayama, Y.Hara, Y.Matsushita, H.Nakayama, M.Yohda, H.Nyunoya, N.Dohmae, M.Maeda, M.Odaka
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Journal Title
FEBS Lett. 580
Pages: 4667-4672