2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17028025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90223297)
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Keywords | 生物時計 / 分子構造 / ATPase / 時計タンパク質 / タンパク質間相互作用 / X線結晶構造解析 / 原子構造 / 藍色細菌 |
Research Abstract |
藍色細菌の生物時計分子装置は3つの時計タンパク質KaiA、KaiB、KaiCから構成されている。我々は、生物時計を時計タンパク質から構成された精巧な分子装置と捉えて、その合成、分解、会合、解離、状態変化を詳細に解析することにより、時計装置の発振機構を解明したいと考えている。我々は、タンパク質研究に適した耐熱タンパク質が利用できる別府温泉産の好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatusにおいて、これまでに先ず遺伝子移入系を確立し、時計の運行を生物発光リズムとして捉えることができる生物発光リズム系を開発した。さらに時計タンパク質と時計関連タンパク質の大腸菌における大量生産法と高度精製法を確立し、これらタンパク質の生化学的・生物物理学的解析とX線結晶構造解析を進めてきた。これまでにKaiA(我々による)とKaiCの原子構造が解明されている。 KaiBは他のタンパク質との相同性も既知のモチーフも見つかっておらず、構造-機能相関の推測が困難であったが、我々はX線結晶構造解析により分解能2.6ÅでKaiBの4量体6角板状構造を解明し、さらにその構造に基づいて時計機能に重要なアミノ酸残基と「サブ構造」を実験的に同定した(Iwase et al.,2005,J.Biol.Chem.280:43141-43149)。サブ構造である負電荷に富んだ2列の尾根状構造、(negative ridges)とその間に存在する正電荷に富んだ溝状構造(positive cleft)が、時計発振に重要であった。KaiBにおける構造機能相関の解明は世界初である。 我々は、KaiCは1セットのATPaseモチーフを持つドメインが二つ重複した構造をとっており、N末端ドメインは6量体形成に、C末端ドメインはATPase活性、リン酸化活性、被リン酸化部位、KaiAとの相互作用に関与していることを明らかにしている。このN末端ドメインとC末端ドメインタンパク質をそれぞれ調製し、生化学的・生物物理学的性質を調べた。その結果これまでの事実に加えて、C末端ドメインが弱いオリゴマー形成能を持つことが判明した(Hayashi et al.,2006,J.Biol.Chem.,revised)。
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[Journal Article] Functionally important substructures of circadian clock protein KaiB in unique tetramer complex.2005
Author(s)
Iwase, R., Imada, K., Hayeshi, F., Uzumaki, T., Morishita, M., Onai, K., Furukawa.Y., Namba, K., Ishiura, M.
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Journal Title
J.Bio.Chem. 280
Pages: 43141-43149
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