2005 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達キナーゼの機能を保障するHsp90-Cdc37分子シャペロンの解析
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17028030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (70209914)
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Keywords | Dyrk / キナーゼ / 分子シャペロン / Hsp90 / Cdc37 / シグナル伝達 / ゲルダナマイシン / ユビキチン |
Research Abstract |
ヒトのDyrkファミリーキナーゼにはDyrk1A,Dyrk1B,Dyrk2,Dyrk3,Dyrk4の5つのキナーゼが含まれている。これら5種のキナーゼをクローニングし、FLAG-tagを付加して哺乳類培養細胞に発現させた後、anti-FLAG抗体により免疫沈降し、細胞内でDyrksと結合するタンパク質を単離した。得られたDyrk複合体をSDS-PAGE及び銀染色で解析すると、それぞれのDyrkに特異的な結合タンパク質のパターンが観察された。5つのDyrkのうちDyrk1B及びDyrk4に特異的に結合する分子量90kDaのタンパク質が存在し、ウェスタンブロッティングにより主要な分子シャペロンHsp90と同定された。またHsp90と共同して働くシャペロンであるHsp70及びCdc37もDyrk1BとDyrk4と特異的に複合体を形成していた。この複合体はHsp90阻害剤ゲルダナマイシンによって解離し、細胞をゲルダナマイシン処理するとDyrkファミリーのうちDyrk1B及びDyrk4のみが細胞内でドット状の不溶構造体を形成した。最終的にはHsp90の阻害によってDyrk1BとDyrk4は細胞内でユビキチン-プロテアソームシステムによって分解された。以上の結果は、DyrkファミリーキナーゼのうちDyrk1BとDyrk4の細胞内でのクオリティーコントロールにHsp90-Cdc37分子シャペロンシステムが特異的に関わっていることを示している。Hsp90-Cdc37シャペロンシステムの分子機構を明らかにする目的でCdc37のX線結晶構造解析を試みた。Cdc37の多数の点変異体及び欠失変異体のリコンビナントタンパク質を大腸菌で発現・精製し、多くの条件でタンパク質結晶の作成を試みたが、現在までに解析に適した良好な結晶は得られていない。
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Research Products
(3 results)