2006 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達キナーゼの機能を保障するHsp90-Cdc37分子シャペロンの解析
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17028030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (70209914)
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Keywords | DYRK / Hsp90 / Cdc37 / キナーゼ / ゲルダナマイシン / シグナル伝達 / タンパク質翻訳 / 自己リン酸化 |
Research Abstract |
DYRK(Dua1-specificity tYrosine-phosphorylation Regulated protein Kinase)は互いに相同性の高い活性ドメインを持つ一群のキナーゼで、細胞の増殖や分化への関わりが示唆される重要な分子である。DYRKは翻訳の過程で分子内チロシン自己リン酸化を起こし、DYRKが外部基質に対するセリン・スレオニンキナーゼとして成熟するのにこの自己リン酸化が必須である。DYRKの成熟の分子メカニズムを明らかにするため、自己リン酸化できない未成熟の変異DYRK2に特異的に結合するタンパク質を単離した。その結果、Hsp90,Cdc37,Hsp70の一群の分子シャペロンが自己リン酸化不能型のDYRK2[DYRK2(KD)]と特異的に結合し、野生型DYRK2[DYRK2(WT)]とは結合しないことが判った。Hsp90の特異的阻害剤ゲルダナマイシンで細胞を処理するとDYRK2(KD)とHsp90及びCdc37との結合は完全に阻害され、DYRK2が不安定化した。DYRK2(KD)とHsp70の結合はHsp90・Cdc37とは独立で、一方DYRK2(WT)はゲルダナマイシン処理により初めてHsp70と結合するようになった。また、Hsp90のシャペロン機能はDYRKの細胞内自己リン酸化に必要でDYRK2の外部基質に対するセリン・スレオニンキナーゼ活性もゲルダナマイシン処理により低下した。以上の結果は、Hsp90及びCdc37の機能がDYRK2が翻訳のプロセスで成熟した構造をとるのに必要であることを示す。また、Hsp90・Cdc37と安定な複合体を形成していないキナーゼの中にもHsp90・Cdc37のクライアントキナーゼがあることが判明し、Hsp90のターゲットが従来考えられていた以上に幅広いことが示唆された。
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