2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質品質管理システムによる生体防御制御の分子メカニズム
Project/Area Number |
17028044
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20301400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 弘益 札幌医科大学, 臨海研究所, 講師 (10260762)
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Keywords | 分子シャペロン / 抗原提示 / ストレス蛋白質 / 抗原ペプチド / ポリグルタミン病 / 脊髄小脳変性症 / HSP70 / HSP90 |
Research Abstract |
1.新規分子シャペロンの遺伝子クローニングと発現・機能解析 J-domainを有するヒトの新規HSP40ファミリー遺伝子、DNAJC8, DNAJB8, DNAJB12の3種をクローニングし、その発現と機能を解析した。これらはいずれもHSP70と結合するが、DNAJC8はさまざまなヒト組織にユビキタスに発現しているのに対して、DNAJB8は精巣にのみ選択的に発現しており、精巣特異的分子シャペロンであることを見出した。また、DNAJC8はNLSを有し、核に局在する分子シャペロンであることを見出した。 2.脊髄小脳変性症におけるポリグルタミン蛋白の凝集を抑制する分子シャペロンの同定 Machado-Joseph病の原因遺伝子ataxin-3のpolyQドメインをコードする遺伝子を神経系細胞に導入し、核内凝集体形成モデルを作成した。上記遺伝子クローニングで発見した核内分子シャペロンDnaJc8によってこのpolyQ凝集体形成が抑制されること、その機能にJ-domainは関与せず、NLSを含むDnaJC8のC末端ドメインが重要であることを見出した。polyQ凝集体形成を抑制する新規蛋白ドメインを同定した。 3 ストレス蛋白質による樹状細胞活性化と抗原クロスプレゼンテーションの分子機構 抗原ペプチドとHSP90の複合体を樹状細胞にパルスすると、抗原ペプチドのMHC class I分子への抗原提示が促進される。この分子機構を解析した結果、細胞表面にHSP90受容体が存在すること、early endosomeとCathepsin Sに依存したendosomal pathwayと、proteasomeとTAPに依存したER pathwayとが関与していることを見出した。 4 分子シャペロンHSP70のペプチド認識特異性と抗原ペプチド選択性の解明 HSP70は細胞質内で抗原ペプチドの輸送に関与している。HSPによる抗原ペプチド選択の規則性を解明するため、約200種類のペプチドライブラリーを合成し、SPR analyzerを用いてHSP70結合モチーフの同定を行った。その結果、疎水性・塩基性アミノ酸を含む7merのアミノ酸配列をモチーフの1つとして同定することに成功した。
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