2006 Fiscal Year Annual Research Report
NMRと糖鎖ライブラリーを利用した糖タンパク質の細胞内運命の決定機構の研究
Project/Area Number |
17028047
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山口 芳樹 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90323451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20211849)
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90234575)
高橋 禮子 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 客員教授 (90079989)
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Keywords | 糖鎖 / 生体分子 / 薬学 / 分子認識 / 蛋白質 |
Research Abstract |
1.糖タンパク質と細胞内レクチンとの相互作用 糖鎖修飾は、タンパク質の品質管理・輸送に密接に関係していることが明らかとされている。糖鎖ライブラリーを用いて、様々な細胞内レクチンとの相互作用を主にNMR法およびフロンタルアフィニティクロマトグラフィー法により解析した。これまでにカルレティキュリン、カルネキシン、Fbs1、VIP36、VIPL、ERGIC-53を対象として糖鎖認識の体系的解析を行い、細胞内レクチンの糖鎖の結合特異性および相互作用様式を明らかとした。これらの成果から、細胞内レクチンによる糖鎖認識とN型糖鎖のプロセシングの関係を明らかにすることができた。 2.NEDD8修飾によるユビキチンリガーゼの活性化メカニズムの構造的基盤 ユビキチンをチャージしたE2はE3との相互作用を介して基質にユビキチンを転移する。これまでSCF複合体型E3のcullin-1サブユニットがNEDD8による修飾を受けると、E2のSCF複合体へのリクルートメントが促進され、基質のユビキチン化が亢進することが報告されている。しかしながら、NEDD8修飾によるそのメカニズムの詳細は不明であった。そこで、SCF複合体のNEDD8修飾による活性化メカニズムを構造生物学的に明らかにすることを試みた。NMRによる化学シフト摂動と部位特異変異実験の結果、NEDD8はユビキチンのE2(UBC4)と相互作用するが、NEDD8自身のE2(UBC12)とは相互作用しないことが明らかとなった。興味深いことに、UBC4分子表面上でNEDD8結合部位とE3結合部位は隣接していることが判明した。これらの成果から、ひとたびNEDD8の修飾を受けたSCF複合体はNEDD8自身のE2であるUBC12を排除しつつ、RBX1と協働してユビキチンのE2であるUBC4を選択的にリクルートすることにより、高いE3活性を獲得しているというモデルを提唱した。
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Research Products
(6 results)