2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規RING型ユビキチンリガーゼ複合体のタンパク質品質管理における役割
Project/Area Number |
17028048
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳永 文稔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (00212069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 一宏 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60252459)
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Keywords | 酵素 / 細胞・組織 / 蛋白質 |
Research Abstract |
我々は、酸化タンパク質を認識するユビキチンリガーゼ(E3)としてHOIL-1を同定した(Nature Cell Biology,5,336,2003)。今回、HOIL-1の細胞機能解明を目的として解析を行った。その結果、HOIL-1はN末端部が伸長したアイソフォーム(HOIL-1L)が主要な細胞内型であり、HOIPと命名した新規RING型E3と約600kDaの高分子量複合体を形成していることを見いだした。このリガーゼ複合体はin vitroで直鎖型ポリユビキチン鎖を生成したことから、LUBAC(linear ubiquitin chain assembly complex)と命名した。LUBACはモデルタンパク質(Ub-GFP ; N末端にユビキチンを結合させたGFP)の細胞内分解を促進したことから、直鎖型ポリユビキチン鎖がプロテアソーム分解シグナルとして機能すると示唆された。さらに、HOIL-1LはプロテインキナーゼC(PKC)結合タンパク質として報告されているので、LUBACが活性化PKCを認識するE3であるかを検討した。その結果、PKCは活性化に伴ってLUBACに認識され、in vitroでLUBACによってユビキチン化された。さらに、HOIL-1L欠失マウス由来線維芽細胞ではPMA活性化後の内在性PKCα分解が遅延した。また、PKCの活性化に伴ってHOIL-1Lは分子内で限定分解を受け、LUBACのE3活性が減弱した。これらの結果は、LUBACは活性化PKCを認識しユビキチン化するE3の一つであり、同時にPKC活性化に伴ってHOIL-1Lは限定分解を受け、LUBAC活性が抑制されるという相互制御機構を示唆した。このPKCとLUBACユビキチンリガーゼとの相互機能制御はPKCシグナル伝達に重要と考える。
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