2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17028052
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅林 恭平 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60321733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉森 保 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (60191649)
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Keywords | 感染症 / 癌 / 細菌 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
上皮増殖因子(EGF ; epidermal growth factor)受容体は,細胞膜でEGFに結合して増殖シグナルを発信する.過度のシグナルは癌化につながるため,受容体はエンドサイトーシス経路を運ばれてリソソームで分解される.これまでのモデルでは,受容体は細胞膜でユビキチン化され,これがりソソームヘの輸送シグナルとなると考えられていた.しかし,われわれがユビキチンリガーゼであるCblの局在を調べたところ,受容体とともに細胞膜からエンドソームへ移り,受容体はエンドソームまでずっとユビキチン化されていることが明らかになった.EGFで10分刺激した後でCblのユビキチン化活性を阻害すると,最初の10分に受容体についたユビキチンがすぐに外れてしまった.したがって,受容体は非常に脱ユビキチン化されやすく,Cblはこれを防ぐためにエンドソームまでユビキチン化を続けていることが強く示唆された.CblはE2とよばれるユビキチン結合酵素と協調してユビキチン化を行う.E2のうち,これまではUbcH7がCblのパートナーであると提唱されていたが,局在とsiRNAによるノックダウン実験の結果,Ubc4/5がCblと共同で受容体をユビキチン化していることが明らかになった.さらに,受容体はモノユビキチンとポリユビキチンのいずれの修飾も受けるが,主にどちらで修飾されるかはEGF刺激後の時間に依存することを強く示唆する結果を得た.このことから,ユビキチン化の様式がエンドサイトーシス経路を運ばれるにつれて変わっていく可能性が考えられた.
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