2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソームの分子集合に関与する因子の同定と解析
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17028057
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
村田 茂穂 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20344070)
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Keywords | プロテアソーム / シャペロン / 分子集合 |
Research Abstract |
細胞内における主要なたんぱく質分解酵素であるプロテアソームの分子集合機構の解明に成功した。プロテアソームは、標的たんぱく質を分解するための目印となるユビキチンと連携して、多様な生体反応を迅速に、順序よく、一過的にかつ一方向に決定する合理的な細胞内装置として生命活動に必須な役割を果たしている。プロテアソームは、分子量250万、総サブユニット数約100個から構成された生命科学史上もっとも巨大で複雑な酵素複合体であるが、この複合体がどのようにして形成されるか、は全く不明であった。前年度にプロテアソームの分子集合反応を促進する新しい分子シャペロンとしてPAC1/PAC2(Proteasome Assembling Chaperone)複合体を発見したのに引き続いて、本年度はさらに新規のシャペロン分子PAC3を発見し、プロテアソーム形成の分子機構のさらなる解明に成功した(Mol Cell, 2006)。この他にも新しいプロテアソームのサブユニットRpn13を発見し、それがプロテアソームに結合することが知られていた脱ユビキチン化酵素UCH37の受容体活仮性の発揮に必須であることを明らかにした(EMBO J, 2006)。本研究は、基礎的な学術的成果に止まらず、細胞内たんぱく質分解の異常によって発症する病気の解明に大きく貢献することが期待される。すなわち、本研究課題の発展は、ヒトの健康と長寿を守る科学に大きく成長する可能性が期待される。
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[Journal Article] Cooperation of multiple chaperones required for the assembly of mammalian 20S proteasomes2006
Author(s)
Hirano, Y., Hayashi, H., lemura, S., Hendil, K.B., Niwa, S., Kishimoto, T., Kasahara, M., Natsume, T., Tanaka, K., Murata, S.
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Journal Title
Molecular Cell 24・6
Pages: 977-984
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[Journal Article] A novel proteasome interacting protein recruits the deubiquitinating enzyme UCH37 to 26S proteasomes2006
Author(s)
Hamazaki, J., Iemura, S., Natsume, T., Yashiroda, H., Tanaka, K., Murata, S.
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Journal Title
EMBO Journal 25・19
Pages: 4524-4536