2005 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解可視ポンプ-赤外プローブ分光法による固/液界面電子移動ダイナミクス
Project/Area Number |
17029002
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
八木 一三 独立行政法人産業技術総合研究所, 固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター, 研究チーム長 (40292776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 秀典 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (60374188)
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Keywords | フェムト秒レーザー / 可視ポンプ赤外プローブ / CdSナノ粒子 / Ru三核錯体 / プルシアンブルーナノ粒子 / キャリアダイナミクス / 振動ダイナミクス |
Research Abstract |
フェムト秒時間分解可視光ポンプ-赤外光プローブ(TRIR)分光法は、可視光超短パルスによって生成した分子の電子励起状態や半導体のキャリアがどのように推移・消滅してゆくかを赤外分光による分子振動モードやキャリアのバンド内遷移等を利用して評価することが可能な、先端的な分光法である。特に、フェムト秒パルスは不確定性原理による制限から、エネルギー幅が200cm-1程度広がっており、マルチチャンネル検出器を利用すれば、その範囲のスペクトルが短時間で得られ、従来の可視ポンプ-可視プローブ分光法に比べてダイナミクスの詳細を明らかにすることが出来る。 本研究では、主としてCdSナノ粒子の光励起キャリアダイナミクスおよび多核金属錯体(Ru三核錯体)やプルシアンブルー(PB)ナノ粒子等の光励起振動ダイナミクスの計測を行った。CdSナノ粒子の場合、赤外スペクトル測定により光励起により伝導帯に存在する電子のダイナミクスを評価できることがわかっている。今回、透明電極に積層したCdSナノ粒子内の光励起キャリアダイナミクスが電極電位により影響されることを直接観測できた。 一方、Ru三核錯体やPBナノ粒子では、可視光励起により電子励起状態が生成するが、パルスの通過とともに励起状態は失活し、振動励起状態として数〜数十ピコ秒の時間範囲で減衰してゆくことがわかった。錯体分子については配位子を、PBナノ粒子については粒径を変化させることで、その寿命が大きく変化し、それは分子の電子状態に影響された結果であることがわかった。
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Research Products
(2 results)