2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノヘテロ3次元網目構造高分子中の光電荷伝搬と有機薄膜太陽電池への応用
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17029009
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
金子 正夫 茨城大学, 理学部, 教授 (90109794)
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Keywords | 高分子擬固体 / 分子拡散 / 自然対流 / 電荷移動 / 交流インピーダンス法 / 電荷伝搬速度 / 色素増感太陽電池 / 有機薄膜光化学太陽電池 |
Research Abstract |
先ずこの固体中での分子輸送は水中と同じように起こるか検証した.すでにこの固体中では対流が起こらないという極めて興味ある結果を見出すことができたので,これを定量化して,水中(自然対流あり)とこの固体中(自然対流無し)の分子拡散や輸送挙動の同じ点と違う点を明らかにした.分子の拡散・輸送は,増感剤(色素)のように分光光度計で測定できる化合物を主に研究した.高分子固体としては,ヘリックス構造を作る多糖類を中心として研究した.水の液体中では分子の輸送は主として自然対流によるが,固体中では自己拡散のみにより輸送が起こるので,極めて遅いことを明らかにした.色々な化学過程の時定数が長いほど自然対流の影響が大きいことを明らかにできた.光励起状態の電子移動は時定数の短いプロセスなので,自然対流の影響はほとんど無いことを明らかにした. 二酸化チタン多孔質膜と吸着色素(ビピリジンルテニウム錯体など),ヨウ素レドックス系の有機媒体溶液を閉じ込めだナノヘテロ構造固体高分子,からなる色素増感光化学電池を構築し,光電変換特性を研究したほか,交流インピーダンス法により,光照射条件下での色々な電荷移動段階における電荷伝搬速度(抵抗)を明らかにした.これらの過程で,ヨウ素レドックス系による電荷輸送を特に重点的に研究した.ヲウ素レドックス系による電荷輸送は固体系ではやや遅いが,条件によっては液体系と同等になることが分かった.次に電導性電極基盤、として電導性プラスチックフイルム(ポリエチレンナフタレート,PEN)を用いた有機薄膜光化学電池を予備的に構築した.光電変換効率は1%カラゲニン固体電解質膜を用いた時に,照射擬似太陽光(AM1.5,100mWcm^<-2>)あたり1.2%であった.
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[Journal Article] Quenching of singlet photoexcite state of water soluble phthalocyanines and porphyrins by viologens interacting electrostatically",,, (2005)2005
Author(s)
Masao Kaneko, Hirohito Ueno, Satoshi Masuda, Kazuhisa Suzuki, Hiroshi Okimi, Mikio Hoshino, Lukasz Lapok, Dieter Wohrle
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Journal Title
J.Porphyrins & Phthalocyannines 9
Pages: 667-680
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