2006 Fiscal Year Annual Research Report
可視域有機半導体材料を用いた水中利用型高活性光触媒システムの創製研究
Project/Area Number |
17029033
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長井 圭治 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助手 (30280803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 敏之 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20312481)
|
Keywords | 有機半導体 / 光触媒 / ベリレン / 光電機能 / フタロシアニン / 酸素発生 |
Research Abstract |
光触媒の可視光応答化は本特定領域研究のなかでも重要な課題の一つである我々の見いだした、ペリレン.フタロシアニンの光触媒特性は、可視光全域(<750nm)に応答する光触媒である点において新奇である。その可視応答性を維持しつつ、全有機系でありながら水中で安定に機能する点で、これまで基礎研究が中心であった有機系の光触媒に実用の可能性をもっている。 これまでに以下のような成果を上げた。 1)ペリレン・フタロシアニンに酸化イリジウム微粒子を担持することによって、光電気化学的に水を酸化し、酸素を発生することを明らかにした。これは、有機系で初めてかつ、可視光全域に応答するという意義を持つ。 2)ペリレン・フタロシアニンのフタロシアニンの中心金属をコバルトとすることで、酸素が1)よりも高効率に発生することを明らかにした。 3)ペリレン・フタロシアニンの積層の順番を逆にしたフタロシアニン・ペリレン系が光電気化学的に水中で、可視光全領域に応答して、還元反応を起こすことを明らかにした。 4)ペリレンをC60に変えた系(フタロシアニン・C60系)が、可視光全域(<750nm)に応答する光触媒特性として、水中で安定に還元反応を起こすことを明らかにした。 5)これらの有機半導体触媒の高表面積化のために、透明半導体を低密度化することは意義深い。今回は、酸化スズをエレクトロスピニング法によりナノファイバー化した。
|