2006 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下における可視光反応型光触媒酸化物の反応特性と電子・原子構造
Project/Area Number |
17029036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加賀山 朋子 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 助教授 (40274675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 克哉 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (70283736)
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Keywords | 高圧 / 低温 / 光触媒 / ラマン分光 |
Research Abstract |
可視光領域で動作する高効率な光触媒の物質探索の過程においてその指針となるべき基礎情報を収集するため,高圧力下において結晶構造と電子構造の相関を明らかにすることが本研究の目的である。圧力下でのin-situ計測をおこなうことにより,原子間距離を連続的に制御させた環境下での電子構造の変化を調べる。その手段として,X線回折による結晶構造解析,ラマン分光による格子振動の情報,吸光スペクトル測定によるエネルギー構造の解析をおこなった。 昨年度から取り組んでいるエネルギーギャップの形成機構に特徴のあるいくつかの物質系,RTO_4(R=希土類元素,T=遷移金属元素)やBi系酸化物についてひき続き高圧下の光学測定をおこなった。これには昨年度開発した低温・高圧力下における光学測定装置を使用した。また,今年度は新しくこの低温高圧下の光学測定装置を用いることによって光伝導の測定ができるようになった。電気測定のための電極は,試料上か,あるいは圧力発生条件によってはダイヤモンドアンビル上に半導体リソグラフィー技術を用いて形成する。上述の酸化物半導体材料以外にも,研究課題の範囲を超えて水素化物系半導体にも広げ測定に取り組んだ。希土類水素化物の電気抵抗率と光伝導特性を圧力下で測定し,同時にX線回折実験をおこなうことによって圧力で制御された結晶構造と合わせて結果を検討した。さらに,光触媒材料そのものだけでなく,反応場としてナノ構造材料のいくつかに着目し,高圧下のX線回折実験等によりおもに構造に関しての情報を蓄積する実験に着手し足がかりを得た。
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