2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子性有機・無機複合型光機能性素子の開発と光機能界面への応用
Project/Area Number |
17029040
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (60011186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 誠 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 助手 (70343267)
|
Keywords | 光機能界面 / PSP / 酸素感受性 / SAM / 長鎖アルキル / ITO電極 / ポルフィリン / エネルギー移動 |
Research Abstract |
1.感圧塗料の高性能化は機能界面の光化学反応を利用した計測技術として、「光機能界面の学理と技術」の技術的側面に貢献するものと考えられる。本年度は機体表面の圧力・温度計測を目指した光機能界面技術として新たな感圧・感温発光色素プローブの開発を目指し、以下の研究を行った。 2.長鎖アルキル基を有するポルフィリン誘導体の感圧特性 表面圧力場を光学的に計測するために酸素消光を受ける色素をポリマー中に分散させた感圧塗料が用いられてきた。しかしポリマー膜では消光過程がポリマー中での酸素分子の拡散に依存するため応答速度が遅く、膜厚が数10μmにおよび模型精度を低下させてしまうなどの問題点がある。そこで構造明確な自己組織化単分子膜(SAM)を基盤とする光学センシング用超薄膜膜の作製および機能評価を行った。具体的には、長鎖アルキル鎖を連結したポルフィリン分子を新たに合成し、ITO電極上にSAMを形成した。電気化学的に求めた被覆率からポルフィリン分子は基板に対してほぼ垂直に配向していることが示唆された。このSAMの酸素感受性は単純なStern-Volmer式から大きく逸脱していた。これは、SAMではポリマー膜に比べて圧倒的にポルフィリンが気相側に露出しているため、酸素付加体を生成しやすくなっているためであると考えられる。一方、酸素に対する応答速度はポリマー系と比べて速く、ArからO_2への切替では10s、O_2からArへの切替では23sであった。 3.以上、SAMにおいても酸素消光に基づく圧力センシングが可能であることを明らかにした。一方、単分子膜では色素裏が極めて少ないため、十分な応答を得ることが出来ない。現在表面積の向上を目的として、多孔性基板である陽極酸化アルミニウム基版を用いた研究を進めている。
|
Research Products
(6 results)