2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答性と光触媒能を示す発光性白金錯体光機能界面
Project/Area Number |
17029041
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 助教授 (80214401)
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Keywords | 白金錯体 / 光触媒 / 配列制御 / 発光性金属錯体 / 光機能 / 集積発光性 / 水の光分解 / 結晶構造 |
Research Abstract |
本研究者らが開発してきた環境感応型発光性白金錯体を薄膜や固体表面に展開し,センシング機能や光触媒能を効果的に発現する発光性白金錯体光機能界面の構築をめざして,LB膜を形成する長鎖アルキルビピリジン白金錯体や蒸着可能で光触媒能を示すシクロメタレート型白金複核錯体を修飾・改良して,集積発光性や光触媒能について検討した。 1.配列制御置換基を有する白金錯体の集積発光特性と環境応答性. 白金錯体のより積極的な配列制御を行うために,直鎖アルキル基を有する一連のビピリジンを含む白金錯体,[PtX_2(dC_nbpy)](X=Cl^-,CN^-.,dC_nbpy=4,4'- or 5,5' -dialkyl-2,2'-bipyridine, n=7-11)を合成し,それらの集積構造に基づく発光特性を固体状態及び溶液状態で検討した。その結果,溶液濃度や溶媒の種類に依存した著しい発光変化や固体状態の環境に依存した発光を観測した。 2.シクロメタレート型白金複核錯体を用いた光触媒反応系の構築. アニオン性強配位子として作用する2-フェニルピリジン(Hppy)類を用いて,一連のシクロメタレート型白金複核錯体[Pt_2(L)_2(pyt)_2](L=ppy及びその誘導体)を合成した。これらの錯体は,溶液状態においても強い^3MMLCT発光を示し,置換基によって発光エネルギーの調節も可能である。また,これらの錯体はPt_2(II-II)種およびPt_2(III-III)種の酸化状態を化学的に容易に制御することができる。この種の中性型白金複核錯体を光触媒とする水の光誘起分解反応について検討した。その結果,白金錯体とメチルビオロゲン(MV^<2+>)との間で効果的な光誘起電子移動反応によるMV^+・の生成が認められた。またメチルビオロゲンをメディエータとする白金錯体光触媒系において,水の光分解による水素の発生を確認した。
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Research Products
(2 results)