2005 Fiscal Year Annual Research Report
シアニン色素のメソ位に電子供与部を組み込んだ高感度太陽電池増感剤の開発
Project/Area Number |
17029042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 勝 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (30033442)
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Keywords | 太陽光発電 / エネルギー全般 / シアニン色素 / 酸化チタン / 超機能化学 |
Research Abstract |
我々はこれまで分子の機能に着目し,機能を組み合わせることで新しい機能特に超機能を発現させる方法論を模索しているところである。たとえば化学発光能と金属取り込み能を組み合わせると応答能が発現することをしめした。この基本概念をシアニン色素と電子供与能の高いユロリジル基を組み合わせて反応性の高い電子の発生を可視光照射で可能にする太陽電池増感剤の開発を開始した。我々の開発した光増感重合系(SS増感剤)をTiO_2表面に吸着するためのアンカー基としてスルホ基をもつSS増感剤、カルボキ基を側鎖に持つものにした。酸化チタンとこの色素を組み合わせて太陽電池にするグレチェルの湿式セルでの性能を調査したが、期待はずれであった。(静岡大学)の昆野らの協力を得て固体セルでスルホ基をもつSS増感剤を測定したところルテニウム系の色素以外としては高い効率を示す色素であることが判明した。固体セルではEff効率1.9%を記録した(非ルテニウム錯体色素としては高い効率)。これは電子供与部と電子受容部が捻れるために逆電子移動が阻害されるため反応性の電子がTIO_2の導電帯に移動し効率を高めているものと考えられる。問題点はいろいろあるが、ヨウ化銅と色素との接触も気になる点である。ヨウ素との接触を高めるために硫黄を含む官能基を導入してみたいまた波長域が近赤外にまで及ぶシアニン色素についても検討を加える予定である。今年度報告にまでたどり着いた成果は超機能発現の基本概念の確認に留まっているが、研究会ではSS増感剤が太陽電池として期待の持てるものであることを示してきた。
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Research Products
(7 results)