2005 Fiscal Year Annual Research Report
色素分子膜分析のための電子振動二重共鳴和周波分光の研究
Project/Area Number |
17029044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石橋 孝章 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70232337)
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Keywords | 赤外可視和周波発生分光法 / 色素単分子膜 / 電子振動二重共鳴 |
Research Abstract |
本研究の目的は、色素分子膜の電子状態および振動状態の分析手法としての、電子振動二重共鳴和周波分光法の開発と確立である。赤外光を使う和周波分光法は二次の非線形光学効果を利用した界面振動分光法であり、界面選択性をはじめとした優れた特徴を持つ。しかし、二重共鳴和周波分光を有効に利用するためには、赤外プローブと組み合わせて和周波を発生させるもう一方のプローブの波長をなるべく自由に選択できる必要がある。そこで、選択可能な波長範囲内で連続可変化できるように、和周波分光装置の拡張作業を進めた。拡張作業は、特に分光部分に関して行った。(光源部分に関しては、光パラメトリック増幅器(OPA)のシグナル出力の基本波の利用によって、波長範囲で800-470nmプローブが使用可能である。) 分光部分の拡張として新しく試みたのは、低分散なプリズム分光器の迷光除去用フィルター分光器としての利用である。和周波信号の強度はプローブと比較して微弱であるので、プローブレーザーの分光器中での乱散乱に起因する迷光を適切に除去することが重要である。使用したプリズム分光器の焦点距離は20cmであり、ガラス製プリズムを使用した。 拡張したSFG分光システムにおけるプリズム分光器の迷光除去の効果の評価のために、Pt基板のSFGスペクトルを測定した。その評価の結果、プリズム分光器の迷光除去率は約99.86%と見積もられ、迷光が有効に除去されておりSFG測定が十分可能であることが確認された。
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