2005 Fiscal Year Annual Research Report
粘土と非両親媒性分子との複合LB膜の非線形光学機能
Project/Area Number |
17029045
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川俣 純 山口大学, 理学部, 助教授 (40214689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 誠治 山口大学, 理学部, 助手 (60197514)
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Keywords | Langmuir-Blodgett(LB)膜 / LB膜 / 粘土 / スメクタイト系粘土鉱物 / 非線形光学材料 / 光第二高調波発生 / 多光子吸収 |
Research Abstract |
●波長オーダーでの均質さを有する複合LB膜の作製 これまでの粘土LB膜には、(1)陽イオン交換容量が大きくゲスト分子を吸着する能力が高い、(2)粒径はおよそ数μmとスメクタイト系粘土鉱物の中では大きい、(3)それぞれの粒子の表面は原子レベルで平滑である、などの特徴を有する天然モンモリロナイトがホスト粘土として主に用いられてきた。しかし、天然モンモリロナイトの粒子の大きさ・形状は不均一であるため、複合LB膜化した際には粘土粒子間に光の波長オーダーの大きさをもつ隙間が生ずる。したがって、多層化した膜では光散乱が生じやすく、光学材料としての応用には限界があった。 そこで本年度は、粒径が小さく、かつ、粒子の大きさ・形状が揃った合成サポナイトを用い、複合LB膜の作製を行った。分子占有面積-表面圧力等温線、紫外-可視吸収スペクトル、光第二高調波発生、AFM像などの測定から、陽イオン交換容量の小さい合成サポナイトを用いても非両親媒性分子による複合LB膜の作製が可能であることを明らかにした。 ●イオン性分子からなるLB膜の粘土との複合化による非線形光学機能の保持と会合状態の制御 ヘミシアニン誘導体のようなイオン性分子は、優れた非線形光学特性を示す。しかし、イオン性分子は会合体を形成しやすいため、LB膜を作製した際に膜中の分子配列を完全に揃えるのが難しいのに加え、得られた膜が再配列を起こしやすく安定性にも問題が多かった。そこで、イオン性分子と粘土とを複合化することで、イオン性分子のLB膜中での配列が安定化できることを示した。 この際、膜作製時の下層水中の粘土濃度を変化させることで、膜中のイオン性分子間の距離を連続的に制御することが可能で、そのことにより会合状態が連続的に制御できることも見いだした。
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Research Products
(6 results)