2006 Fiscal Year Annual Research Report
色素含有高分子・金属複合超薄膜への閉込め光と光電子移動反応制御による分子情報処理
Project/Area Number |
17029047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長村 利彦 九州大学, 工学研究院, 教授 (90117200)
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Keywords | 異相界面 / 反射型光デバイス / 光通信波長域 / フタロシアニン / 低屈折率高分子 / 複合薄膜 / フェムト秒白色光 / 複素屈折率変化 |
Research Abstract |
我々はイオン対問の光誘起電子移動反応と逆電子移動反応によって可視〜光通信波長域に大きなかつ超高速の吸収変化を示す高分子などを開発と異相界面を用いる反射型光デバイスへの展開をしてきた。本年度は、高いガラス転移温度をもつ新しいフォトエレクトロクロミック高分子の合成、光通信波長域で高感度な超高速並列光情報処理デバイスの構築、エバネッセント光による高分子薄膜表面あるいは固体基板界面での分子運動特性評価などの成果をあげた。成果の一つとして、バナジルオキソフタロシアニン(VOPc)をトリシクロデカン高分子Artonに分散し、低屈折率高分子とで形成した複合薄膜の結果を述べる。このような系の900-1600nm領域での導波モード形成による光閉込めの状況をフェムト秒白色光の反射率変化として調べた。光通信波長領域で反射光強度が入射角に依存して特定の波長で著しぐ低下していることが示され、導波モード形成が確認できた。次にこのような系を800nmのフェムト秒レーザーで励起すると、直後に入射角に依存して光通信波長域で異なる反射率変化が観測された。これはVOPcの励起状態生成によって吸収スペクトルが変化し、それに伴ってArton膜の複素屈折率変化が生じ、反射強度が入射角に依存して大きく変化したためである。同じ成膜条件で通常の単純透過法によっては、プローブ光の強度変化は測定できない。これらの結果は光機能界面に基づく本導波モードデバイスが非常に高感度な超高速光変調・光スイッチとして有望であることを示している。
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