2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を発現する超撥水型ナノ反応場制御二酸化チタン光触媒の創製
Project/Area Number |
17029052
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
横野 照尚 九州工業大学, 工学部, 教授 (10203887)
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Keywords | 炭化水素鎖 / 炭化フッ素鎖 / 芳香族官能基 / カチオン性官能基 / 硫黄ドープ / 窒素ドープ / 可視光応答性 / 分子認識 |
Research Abstract |
1.鉄吸着硫黄、窒素ドープ二酸化チタン光触媒の還元処理による触媒活性の向上 防汚、防曇などの機能を有する応用製品用の二酸化チタン光触媒は紫外光下でしか触媒活性を発現しない。しかし、室内などへ応用範囲を広げるためには可視光が主な成分である室内光に対する活性をあげることが不可欠である。我々が開発した硫黄あるいは窒素ドープ可視光応答型二酸化チタン光触媒上に鉄を吸着させ、還元剤を用いて処理した。これら処理により光触媒上の鉄ナノ粒子の粒子径と分散状態をコントロールし、超高感度新規可視光応答型二酸化チタン光触媒の開発に世界で初めて成功した。この触媒は、紫外光、可視光いずれの光照射でも、現在まで報告されている光触媒の中で最高活性を発現することが明らかになった。 2.3次元分子認識能を有する二酸化チタン光触媒の開発 防汚、殺菌などの応用製品に利用される二酸化チタンは紫外光下で高い酸化能力を発現し、ほとんどの有機物を分解するため酸化力を分散し目的物質へ投入される酸化力が低下する。また、このとき触媒表面は超親水性の傾向し、疎水性物質との親和性は急速に低下し、触媒活性の著しい低下をもたらす。このような問題を解決するために炭化水素鎖、炭化フッ素鎖、芳香族、4級アンモニウム誘導体(カチオン性)官能基を有する二酸化チタン粒子表面を修飾し、表面修飾官能基の特性に伴うナノ反応場の構築を検討した。その結果、炭化水素鎖で修飾した二酸化チタンは疎水性の化合物を優先的に分解することが可能となった。また、芳香族官能基では、芳香族官能基を有する物質を、炭化フッ素鎖を導入した光触媒は、炭化フッ素鎖を有する物質を、カチオン性官能基では、アニオン性を有する基質を選択的に分解した。この様に、二酸化チタン表面に導入する官能基の特性による選択性を発現することに世界で初めて成功した。
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