2005 Fiscal Year Annual Research Report
難除去性重金属イオン回収のための光触媒-吸着剤ハイブリッド
Project/Area Number |
17029054
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20127989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 啓和 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40274740)
中島 常憲 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (70284908)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 活性アルミナ / ハイブリッド / 難除去性 / ヒ素 / セレン |
Research Abstract |
有害重金属の中には、ヒ素やセレンのように価数によって除去・回収性の大きく異なる元素がある。例えばヒ素は水中で、3価(亜ヒ酸)と5価(ヒ酸)で存在するが、前者は後者よりも毒性がはるかに高いにもかかわらず、吸着や共沈による除去性が悪い。本研究では、酸化チタンなどの光触媒と活性アルミナなどの吸着剤を組み合わせた光触媒-吸着剤ハイブリッドを提案する。まず、3価ヒ素水溶液に酸化チタン粉末を共存させた系で、キセノンランプによる光照射を行った。反応時間の経過とともに3価ヒ素が減少し、5価ヒ素が増加した。この系にさらに粒状の活性アルミナを添加し光照射を行ったところ、時間の経過とともにヒ素濃度が減少し、約6時間後にはほぼ0となった。この場合、光照射を行わないと、ヒ素除去効率が著しく低下した。以上の結果により、酸化チタンによる光触媒反応で3価ヒ素が5価ヒ素に酸化され、活性アルミナに吸着されることがわかった。メタンアルソン酸やジメチルアルシン酸に対して同様な系で反応を行った場合にも、光照射の有無でヒ素除去の効率が大きく変化した。このような光触媒反応を利用するヒ素除去は、人工的なキセノンランプのみならず、太陽光照射によっても可能であった。光触媒-吸着剤ハイブリッドについて、さらにヒ素除去効率を向上できる新規な吸着剤を調製し、目的物が生成していることをX線回折等で確認した。次年度は、ヒ素以外にもセレンの除去も検討し、さらに高効率の光触媒-吸着剤ハイブリッドを開発する。
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