2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルミナナノホールアレーに基づく2次元フォトニック結晶の作製と分子励起状態制御
Project/Area Number |
17029055
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
益田 秀樹 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (90190363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 和之 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (00315756)
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Keywords | ナノホールアレー / フォトニック結晶 / 面発光レーザー / ピラーアレー |
Research Abstract |
光の波長オーダーで屈折率が周期的に変化する構造からなるフォトニック結晶の作製と応用に関して以下の成果を得た. 1.規則的な2次元ホールアレー構造を容易に形成可能な陽極酸化ポーラスアルミナにもとづくフォトニック結晶特性に関して検討を加えた.蛍光色素層をアルミナフォトニック結晶に担持させ,短パルス光源により励起を行なうことでアルミナ/色素コンポジット構造からシャープな発光を得た.得られた発光は,閾値特性の検討等から,ポーラスアルミナ/色素コンポジット構造に由来するレーザー発振であると考えられた.これらの検討の中で,フォトニックバンド構造において,伝播光が面方向に回折するモードにおいては,面発光レーザーを構築できることを確認した.発光波長は,フォトニックバンドギャップの結合点に対応し,結合点近傍の光の低群速度が,分子との相互作用を増大させ,低閾値発振をもたらしているものと考えられた. 2.2次元フォトニック結晶の界面計測への応用を目的とする光伝播特性の媒質屈折依存に関して検討を加えた.陽極酸化ポーラスアルミナ細孔内にモノマーを充填したのち重合し,その後,アルミナ層を溶解除去することにより規則的な周期構造を有するポリマーピラーアレー構造を得た.得られたピラーアレーは,その構造に由来して波長選択的な反射特性を示すことが観察された.更に,光反射特性は,ピラーアレー内に取り込まれた媒質の屈折率に依存して敏感に変化し,界面の局所屈折率の検出の応用可能なことが示唆された.これらのフォトニックバンドギャップ特性は,FDTD法により得られた計算結果と良好な対応があることも確認された.
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