2005 Fiscal Year Annual Research Report
Ti/ゼオライト系光触媒によるNOx分解とCO_2のH_2Oによる環元固定化
Project/Area Number |
17029057
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安保 正一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70094498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80305648)
竹内 雅人 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (90382233)
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Keywords | Ti-V / ゼオライト / 光触媒 / NOx分解 / CO_2の還元固定化 / 可視光応答化 / 光照射下での触媒調製 / MCM-41 / プロパンの光触媒酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では、出発原料溶液を室温で紫外光照射することで、VとTiの二種金属酸化物を含有するメソポーラスシリカ(V-Ti-MCM-41)の短時間直接合成を行い、それを光触媒とするプロパンの部分酸化反応について検討した。光照射下で合成したV-MCM-41は、2次元ヘキサゴナル構造に基づく回折ピークを与えるが、光照射を行わずに合成したV-MCM-41ではブロードな回折ピークが観測され、出発原料溶液を紫外光照射することで、短時間で構造規則性の高いV-MCM-41の調製が可能となることがわかった。V-MCM-41のほか、Ti-MCM-41およびV-Ti-MCM-41でも同様の結果が得られた。V-MCM-41およびTi-MCM-41は、250nm以下の波長領域に、四配位高分散状態のVおよびTi酸化物種の電荷移動励起に基づく吸収を示す。一方、V源とTi源の共存下で調製したV-Ti-MCM-41のUV吸収は、400nm以上の波長領域にまで大きくシフトしており、V-Tiの相互作用が高分散四配位酸化物種の電子状態に摂動を与え、吸収光波長領域の長波長化が可能となることが示唆された。これら触媒上でプロパンの光触媒酸化反応を行った結果、V-MCM-41は、プロパン転化率が高いものの、完全酸化生成物であるCO_2生成の選択性が高いことがわかった。また、Ti-MCM-41はプロパン転化率は低いが、部分酸化生成物であるアセトン選択性が高い。一方、V-Ti-MCM-41はプロパン転化率、アセトン選択性共にV-MCM-41およびTi-MCM-41より高い値を示した。このように、室温かつ紫外光照射下における触媒調製により、短時間で構造規則性の高いV-Ti-MCM-41の調製が可能となり、このように調製したV-Ti-MCM-41はプロパンの部分酸化反応に高い光触媒活性および選択性を示すことが明らかとなった。
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