2005 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスピニング・ナノファイバー酸化チタン電極による色素増感太陽電池
Project/Area Number |
17029059
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白鳥 世明 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00222042)
|
Keywords | 酸化チタン / 色素増感 / ナノファイバー / 太陽電池 / 効率 / ナノテクノロジー / エネルギー |
Research Abstract |
エネルギー資源の枯渇に関する懸念と環境保護の観点からクリーンエネルギーの早期実用化に関する期待が高まっている。そのクリーンエネルギーの代表として太陽電池が挙げられる。近年精力的に研究・開発がなされている。中でも色素増感太陽電池は、構造及び作製手順が簡単であり、次世代の太陽電池として期待が高まっている。その多くの研究は、酸化チタンの微粒子を分散し、スキージ法などの透明電極上に塗布するものである。多くの研究者が様々な作製を報告してきたが電極のナノ構造と表面積、及び色素担持量とエネルギー変換効率との関係についてはほとんど明らかにされていなかった。そこで本研究では、この酸化チタンナノファイバーをFTOなどの透明電極上に直接作製し、焼成によってネッキングを形成し色素増感太陽電池を作製した。そして酸化チタンナノファイバーの直径、膜厚、密度及び色素担持量とエネルギー変換効率との関係を明らかにし高効率色素増感太陽電池実現の為の基礎的知見を明らかにした。これまで報告されてきた微粒子を用いた色素増感太陽電池よりも電極形成が容易であり、しかも直径が50mmオーダーの電極ファイバーを形成できた。これにより、エネルギー変換効率上昇の為に本質的となる物理的因子が明らかになった。実用化のための基礎的知見を明らかにすることで、ナノテクノロジーの進展及びクリーンエネルギー太陽電池の実用化に大きく寄与するものと予想される。平成17年度はエレクトロスピニング法によるナノファイバー酸化チタンの特性制御を目的として下記の点について検討した。 (1)直径の最小化:直径60nm以下のナノファイバー作製の為に電極間距離、電圧、溶媒、高分子、酸化チタンの量比を系統的に変化させ、細線化の為の物理的要因、科学的要因を見出した。 (2)ナノファイバー薄膜の作製と膜厚制御:色素増感太陽電池の電極膜厚として従来報告されている5μm〜10μmに対して、申請者らは水晶振動子マイクロバランス法を用いてnmオーダーで膜厚制御する手法を見出している。この膜厚制御により、酸化チタン総量の調整を行った。
|
Research Products
(4 results)