2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ空間材料への光機能ユニットの固定によるハイブリッド材料の合成
Project/Area Number |
17029062
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 誠 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60233425)
|
Keywords | メソポーラスシリカ / ハイドロタルサイト / アルミニウムオキシン錯体 / 単分散粒子 |
Research Abstract |
界面活性剤の集合体を鋳型とした反応によりその合成が報告されて以来、メソポーラスシリカの合成、評価、応用に関する多くの研究が行われるようになった。その細孔サイズからゼオライトには吸着し得ないバルキーな化合物の吸着剤、触媒としての展開が期待され、金属クラスターや錯体など触媒活性点の担持に関する研究も行われている。一方固定化する活性点の分布や拡散は反応を制御する重要な因子と考えられるのにも関わらず、それらに関する検討は実験的に困難なこともあり、行われていない。本研究では超分子鋳型法により得られるメソポーラスシリカ細孔への光機能ユニットの固定を試みている。本年度はメソポーラスシリカ粒子の形態設計について、膜、球に加え板状粒子の合成に成功した。またアルミニウムオキシン錯体をゲストとしてメソポーラスシリカに包接することを試みた。 メソポーラスシリカへのアルミニウムオキシン錯体の固定 アルミニウムオキシン錯体の吸着したメソポーラスシリカ(細孔径3.1nm、BET表面積1000m2/g)のPLスペクトルにおける470と520nmに極大を持つ発光の強度比を観察したところ,吸着量の増加に伴い520nmの発光が強くなる様子が見られた。これは吸着量が増えるのに従って隣接錯体間の相互作用が強くなっていることを反映しているものと考えられる。蛍光顕微鏡で吸着の様子を観察したところ、時間の経過に伴い発光波長が変化する様子が確認でき、はじめはメソポーラスシリカ細孔表面との相互作用で吸着がおこり、吸着が進むのに従い、錯体間相互作用が強くなって行くものと思われた。細孔径、温度などの影響も興味深く、引き続き検討中である。
|