2005 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィルを用いた自己集積型光応答ナノデバイスの構築
Project/Area Number |
17029065
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
民秋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (00192641)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
緑色光合成細菌の膜外アンテナ部=クロロゾーム中では、クロロゾーム型クロロフィル分子が自己会合することによって、アンテナ色素部を形成している。クロロゾーム型クロロフィルの自己集積体形成時には、中心金属でのアキシャル配位が必須であるが、その配位方向が上下のどちらからであるかは不明である。このような現象は、クロロフィル分子が光学活性であるために、配位によるジアステレオマー(α・β体)の形成をもたらし、その構造と機能の面からも、興味が持たれている。そこで、クロロフィルπ平面の片方をオリゴメチレン鎖で覆った化合物を合成し、その配位能について検討した。また、ガリウム(III)を中心金属としたクロロフィルを合成し、NMR法を利用して、溶液中でのα・β体を区別することにも初めて成功した。 次に、光機能性界面デバイス構築のために、天然クロロゾームを基板上に物理的に分散させて吸着させることや、表面が負の電荷を帯びている天然(あるいは人工)クロロゾームを、正に電荷を帯びた界面上に固定化することにも成功した。静電相互作用を利用した基板上へのクロロゾームの固定化では、その基板上での可視吸収スペクトルが、溶液中の吸収スペクトルとほぼ同じであり、固定化したクロロゾームが、基板上で変性を受けていないことが判明した。 さらに、収穫したエネルギーを電気エネルギーに変換するために、半導体表面をクロロフィル類で修飾した系を構築し、その変換効率も検討し、最高4%の値を得た。
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